タイ投資委員会(BOI)事務局によると、2015~18年における投資申請件数は5518件で、総投資額は2兆2898億バーツだったそうです。このうち、「東部経済回廊(EEC)」地域の3県向けの投資額は全体の54%に当たる約1兆2400億バーツに達しています。 一時は「半信半疑」と様子をうかがう声も多かったようですが、裏ではちゃっかり投資していたんですね。また、昨年は「アリババグループ」の創業者であり、カリスマ経営者として知られるジャック・マーが来タイし、EEC域内でのEコマース関連業での巨額投資を約束して帰りました。 タイへの直接投資件数トップは日本 ちなみに、外国資本が10%以上入った企業の2018年の投資申請は1040件(前年比17%増)で、タイへの海外直接投資(FDI)額は前年(2888億7800万バーツ)から倍増し、5825億5800万バーツとなりました。そのうち投資申請件数が最も多かったのが日本で、全体の32%を占めました。 「日本凄い!」と思うかもしれませんが、残念ながら投資件数ではトップですが肝心の投資額となると話は変わります。日本の投資額は744億1600万バーツでしたが、米国は件数こそ38件と少ないのですが、金額は3339億5500万バーツとトップです。 どうする?ボトムアップ型の日系企業 閑話休題。おさらいですが、「EEC」はプラユット暫定政権が中進国の罠からの脱却を掲げ、16年にぶち上げたタイの新産業戦略“THAILAND4.0”の中核プロジェクトです。チャチューンサオ、チョンブリー、ラヨーンの3県にまたがり高速鉄道やインフラ整備、投資促進などを行い注目を集めています。 なお、県別の投資額は、チョンブリー県が7,381億5,700万バーツ、ラヨーン県で3,835億7,000万バーツ、チャチューンサオ県は1,170億3,400万バーツ。政府が重点産業とする10産業(次世代自動車、農業とバイオテクノロジー、食品加工、ロボット、デジタル、航空機など)への投資申請額は1兆4,933億バーツと、全体の65%を占めました。 東部経済回廊は着実に進んでいた 当初は夢物語だった「EEC」ですが、着実に進んでいたんですね。とはいえ、このうち日本がどのくらい入り込んでいるかはわかりません。ボトムアップ型の企業が多いのが日本ですから、投資シェアトップではないでしょう。 いずれにせよ、イースタン・シーボードと呼ばれる3県は、35年ぐらい前に「こんな壮大な計画が実現する訳がない」と日本人が笑っていた計画でしたから、10年後にEECは変貌を遂げ「こうなるとは思わなかった」と同じことを言うのかもしれませんね。... Read More
タイに少し詳しいビジネスパーソンであれば、タイ政府が推し進める国家プロジェクト「東部経済回廊(EEC)構想」をご存じでしょう。タイ東部地域で進める産業高度化を目指した、巨大インフラ整備を中心とする一大計画ですね。 おさらい。東部経済回廊(EEC)構想 中でもバンコクと東部経済特区(SEZ)を結ぶ高速鉄道計画は総延長220キロで、ドンムアン空港、スワンナプーム空港、ウタパオ国際空港(東部ラヨーン県)の3空港を結び、人やモノの流れを大きく変える新線です。既存の高架鉄道エアポートレールリンク(ARL)パヤタイ駅―スワンナプーム空港(総延長29キロ、最高時速160キロ)に加え、ドンムアン空港―ARLパヤタイ駅(総延長21キロ、最高時速160キロ)、スワンナプーム空港―ウタパオ国際空港(総延長170キロ、最高時速250キロ)を新設。 スワンナプームからはチャチューンサオ―チョンブリー―シラチャ―パタヤ―ウタパオ国際空港の計5駅となるそうです。さらに、ARLマッカサン駅と新設予定のシラチャ駅をターミナル駅として開発する予定で、運賃は、ARLマッカサン駅―パタヤは270バーツ、同駅―ウタパオ国際空港までは330バーツだといいます。また、事業全体の投資額は2,000億バーツ(約6,800億円)を見込み、50年間のBOT(建設、運営、移管)事業として入札を実施する模様。入札については国際入札で、官民連携型(PPP)を導入。 首相府のゴブサック大臣は、「今月中にも入札手続きを行う予定で、現時点ではヨーロッパ、日本、中国の企業が興味を持っていると聞いている」とコメントしています。その他、ラヨーンから先のチャンタブリー・トラートまで延長する第2期プロジェクトもすでに予定しており、将来的にはカンボジアと通ずる国際高速鉄道を目指すという。実現した場合、バンコク―チャンタブリーは100分、トラートまでは120分でアクセスが可能となるそうです。その他、EEC計画は、官民により総額1.5兆バーツ(約5兆円)を投じてタイ東部のインフラ整備を進め、ロボティクス、デジタル技術、次世代自動車などの新たな産業の誘致育成を図ります。 閑話休題。今回の話題は南部経済回廊! 前述の計画を推進し、日系企業をはじめ多くの外資企業が注目するEECですが、そんな中、タイ政府が次なる構想として昨年ぶち上げたのが、南部経済回廊(SEC)4県(チュムポーン、ラノーン、スラータニー、ナコンシータマラート)です。EECと同じく、同地域の経済発展を目指した計画で、国内外からの企業誘致を望んでいます。 先日、タイローカル紙で発表された2018年における新規企業登録数は、2452社(前年比1.9%増)で資本総額は55億686万バーツだったそう。内訳は不動産がトップで261社(同10億9,800万バーツ)、次いで建設234社(同6億3,385万バーツ)、ホテル・リゾート192社(4億6,450万バーツ)と続きます。そのうち、外国資本の入る企業は約1割で、中国、フランス、英国、ロシアの順でした。 日系企業が見当たらないのは、やはり日本人には馴染みの薄い地域だからでしょうか。それでも、タイ政府によると2019〜22年までに総額1,060億バーツの投資予定があり、それに伴う民間企業の投資も拡大するとのことです。 EECとSECを接続? そして、タイ政府によると、EECとSECは接続させることで外資からの投資を加速し、地域住民の所得向上に大きな貢献が期待されるのだそうです。本当に?と首を傾げた人もいるかもしれませんね。先ずは、EECとSECでは投資規模が違いすぎる点と、接続する意味が本当にあるのでしょうか?EECには、レムチャバンのほか、2つの大きな港と3つの国際空港が繋がり、なおかつ、既存工業団地が多く、新規開発というよりは、同域内の拡大計画という位置付けが正しいでしょう。 すでに完結型のEECにSECと連結させてメリットがどれだけあるかはわかりません。ただし、果てはマレーシア、シンガポールと続くラインでもあることから、何かしらSEC域内での産業高度化が生きるのかもしれませんが、時期尚早のような気もします。先ずは、どこまで投資が促されるか見ものですし、EECをもっと加速化させるのが先決のような気もします。もしかしたら、3つ目の回廊構想が発表されるかもしれませんし、ある意味、タイ政府の経済政策からは目が離せませんね。... Read More
製造大国タイで、来年の景気動向を占う意味でも大切なASEAN最大級の工作機械などの展示会「METALEX 2018」が、21~24日にわたって開催されました。 数千万円のブース展示 中でも注目は、同展示会の目玉とも言える機械商社「山善(タイランド)」のブースで、今年は800㎡の規模で挑んでいました。聞けば、会場で次に広い展示スペースでも約400㎡。それだけでも同社の規模感が分かりますが、かかった費用は約4,000万円。製造業系のイベントで、ここまで大きな予算をかける企業は他になく、話しを伺うだけで“景気回復”の四文字が浮かび上がってきました。他社のブースでも、多くの日系企業から「景気は良いと思います」「仕事は忙しいですね」「来年はさらに期待できると感じています」など、2018年、タイ製造業の景気は上々のようです。 本物の景気回復 以前、地元紙にタイ財務省財政政策局(FPO)の金融政策アドバイザーのコメントとして、「農家所得が改善し、自動二輪車の登録台数が増加した。タイにおける景気回復が地方部まで波及しつつあることの証拠でしょう」と載っていましたが、首都バンコクに留まらず、地方部にまで広がりつつあるのであれば、いよいよ景気回復は本物かもしれません。... Read More
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