タイの一般的な人々の生活を紹介する連載企画「タイの人々の暮らし」。前回から個別ジャンルごとの考察に入った。まずは「食」がテーマ。今回は、平均的なタイ人が「食」にどの程度お金を使い、うち、どの程度が外食費(あるいは内食費)なのかを見ていく。 住居費や食費、衣料費、医療費、交通費など生活に必要な消費支出のうち飲食費が占める割合を特に「エンゲル係数」と呼ぶが、この国際比較をしたのが上図。「生活水準」を示す国際的な指標とはされているものの、特に抽出したバンコク首都圏だけを見ても表のとおりだから、絶対無二とまでは言えない。 他国に比べ、タイ人は飲食にかける支出が比較的に多いとされ、それを裏付けるデータ。好調な経済に支えられ所得が急増している中で、これだけのエンゲル係数が維持されていることには、ビジネスの上でもチャンスを感じてやまない人がいるかもしれない。 もう一つ掲示するのが、上図「一般的なタイ人世帯の1ヶ月当たりの外食と内食費」。まだまだ地域により所得格差があるタイ。このため、地域ごとに分けて数値を弾き出した。 内食費とは、自宅で調理する食品・食材を購入するのに充てる費用。外食費とは、文字通りレストランなどで食事をする時にかかった費用を言う。 多くの地域で内食費が外食の2倍~3倍と高い数値となっているが、人口800万人以上(未登録者も合わせると1000万人超?)とされるバンコクでは、外食費が内食費を上回っている。なるほど、バンコクに飲食店が立ち並ぶのも、数値の上からも頷けると言えよう。 次回は、屋台などで食材を買って、自宅に持ち帰る「中食」のお話(予定)。 微笑みの国タイ。街を歩けば誰彼となく、笑顔で挨拶を返してくれる。それがタイ。人々は親切で、温かく、また来てみたくなる、心のふるさと。でも、実際に現地のタイの人たちがどんな暮らしをしているのかまではあまり知らない。新企画「タイの人々の暮らし」では、そんなタイ人家庭の様子や、ごく普通のタイ人がどんな暮らしをし、どんなことに関心を持っているのかを一話完結で紹介していく。... Read More
ごく一般的なタイ人家庭の様子を紹介する新企画「タイの人々の暮らし」。今回からは、衣食住などジャンルごとに細かく見ていくことにする。初めは、最も関心の高い「食」。タイにおける食品の流通規模はどのくらいで、一般的な食品の価格(物価)はどれくらいなのかをまとめてみた。 まずは、食品流通市場の規模。タイ国家経済社会開発委員会(NESDB)の統計に「卸・小売」の括りがあるので、これを一つの指標として見てみる。それをまとめたのが上図。 純粋に食品だけを表したものではないが、十分参考にはなる。出生率が下がっているとはいえ、まだまだ食品市場は拡大の一途。工業化が進む中でも、GDP全体に占める割合も、大きくは落ち込んでいない。当面はこうした市場動向が続きそうだ。 では、タイでは一般的な食品がどの程度の価格で販売されているのかを抽出してまとめた一覧が上図。anngle編集部がバンコクのトンロー、エカマイ地区を聞き取り調査し、その最安値をまとめた。タイに長年、居住されている方にとっては知り尽くした情報かもしれないが、在日本の読者もいるので、そこはご容赦を。 やはり日本食製品の値段が圧倒的に高いことが分かる。一方で、屋台やスーパーでもタイ料理やタイの食品素材は極めて安価。これが、タイの人々の暮らしの支えになっている。 だが、だからと言って、タイの人たちが日本食製品を採らないかと言えば、そうではない。前回も紹介したように、タイの人々の所得水準は確実に上昇しており、今では日本食も社会の隅々まで行き渡るようになった。そのあたりのデータは次回以降に――。 微笑みの国タイ。街を歩けば誰彼となく、笑顔で挨拶を返してくれる。それがタイ。人々は親切で、温かく、また来てみたくなる、心のふるさと。でも、実際に現地のタイの人たちがどんな暮らしをしているのかまではあまり知らない。新企画「タイの人々の暮らし」では、そんなタイ人家庭の様子や、ごく普通のタイ人がどんな暮らしをし、どんなことに関心を持っているのかを一話完結で紹介していく。... Read More
タイにおける主要なエネルギー源の一つとなっているのが、液化石油ガス(LPG)。プロパンやブタンなどを主成分とし、天然ガスよりも熱量が大きいのが特徴。自動車の燃料や家庭向けの調理燃料として供給されているが、この重要なエネルギー源をめぐって販売業者と政府との「イタチごっこ」が続いている。 発端は、今年初めに明らかとなったLPG充填工場の統計データだった。調理用としての届出が通常期よりも極端に多いことが分かり、エネルギー省から通報を受けたタイ国家警察が捜査。 その結果、本来なら自動車向けとしなければならないところ、調理用として充填・届出しているケースが相次ぐことが判明した。 LPGの価格は、調理向けが自動車向けなどに比べて低く抑えられている。政府が進める低所得者層対策の一貫だが、これが悪用された形。警察では監視を強化、200ヶ所近い充填工場やガススタンドを取り締まった。 この結果、4月までにLPGの消費量は減少。捜索前に月27万トンあった調理用の消費が19万トン台に激減し、代わりに同9万トン程度だった自動車向け消費が15万台程度に上昇したという。 何とも分かりやすい消費の増減。関係者からは「取り締まりが落ち着けば元も戻る。結局は、イタチごっこ」の声も聞かれている。... Read More
タイの一般の人々の暮らしを紹介する新企画。前回は業種別の平均賃金一覧を紹介した。今回取り上げるのは、ニュースなどで「富裕層や中間所得者層が拡大し…」などと耳にはするものの、今ひとつ実態が分からないこうした情報。富裕層や中間層がどの程度の割合で増えていくのかをまとめてみた。 民間の調査機関ユーロモニターによると、タイは2009年の時点で、年間の可処分所得が1万5000ドル(約105万円)を超える世帯は、全体の17.7%(3.1%の富裕層+14.6%の上位中間層)。可処分所得とは、給与などの収入から支払義務のある税金や社会保険料などを差し引いた、いわば「自由に使えるお金」。可処分所得が増加することで、一般に消費も拡大する。 統計によっては、年間の可処分所得5000ドル超1万5000ドル以下(約50万円~150万円)を「中間層」に加えることもあり、これを含めると実に3分の2近い世帯が「中間層」以上となる。これが将来、どう変化するのかを示したのが上記のグラフ。 2015年で4分の3、2020年では実に8割以上の世帯が「中間層」以上になる。富裕層も2020年にはついに10%を超える。 では、同様に東南アジアの工業国で知られる周辺諸国はどうか。それをまとめたのか下記。まずは、自動車などで競合するインドネシア。 インドネシアは2009年時点だと、実に全世帯の3分の2が「低所得層」。これが2015年になると4分の1近くにまで低下し、2020年には15%以下にまで減少する見通し。消費意欲が旺盛な富裕層と上位中間層は合わせて3分の1を超える。 同じインドシナ半島にあるベトナムのデータをまとめたのが上図。ベトナムも2009年時点で80%の国民が「低所得層」だが、2015年には6割弱に減り、2020年には4割弱にまで低下する見込み。インドネシアよりも所得上昇のペースは遅いが、確実に富裕層や中間層が増えていることがデータから分かる。 金融都市シンガポールや、いち早く先進国化に成功したマレーシアは産業構造や施策が異なるため同列には比較できないが、タイを中心に東南アジア諸国が確実に所得を上昇させていることはデータからも疑いようもない事実。さて、これをどう見るか――。 次回は、一般的なタイ人世帯の貯金事情と借金事情など。その後、衣食住など個別テーマに焦点を当てた「タイの人々の暮らし」を紹介していく。 微笑みの国タイ。街を歩けば誰彼となく、笑顔で挨拶を返してくれる。それがタイ。人々は親切で、温かく、また来てみたくなる、心のふるさと。でも、実際に現地のタイの人たちがどんな暮らしをしているのかまではあまり知らない。新企画「タイの人々の暮らし」では、そんなタイ人家庭の様子や、ごく普通のタイ人がどんな暮らしをし、どんなことに関心を持っているのかを一話完結で紹介していく。... Read More
米国通商代表部(USTR)が毎年公表している「スペシャル301条報告書」をご存知だろうか。スペシャル301条とは、米通商法の知的財産権に対する体外制裁について定めた条項で、そもそもは貿易障壁の現状を米大統領や連邦議会に報告するよう求めた制度。ところが、事実上の「世界基準」となっているのが現状で、国際的なコンセンサスを経ない米国独自の判断だとして一方で強い批判もある。タイは、こうした「ブラックリスト」の常連国で、このほど発表された2013年報告書でも「優先監視国」とされた。タイの実情について調べてみた。(写真は知的財産局のfacebookから) スペシャル301条報告書では、知的財産権保護について「問題あり」とする国を重い順に「優先国」「優先監視国」「監視国」に区分している。 2013年報告書では、最も問題があるとする「優先国」はウクライナ1カ国。「優先監視国」として、アルジェリア、アルゼンチン、チリ、中国、インド、インドネシア、パキスタン、ロシア、タイ、ベネズエラの10カ国が並んだ。「監視国」はブラジル、カナダ、エジプト、イスラエル、フィリピン、ベトナムなど30カ国。 タイの「優先監視国」は2007年以降、6年連続。映画などの無断複製(海賊版)やブランド品の商標侵害などが問題とされている。「優先国」に指定されると、米国との協議が始まり、不調に終わると制裁手続が発動される仕組み。 「優先監視国」や「監視国」に指定されただけでは直ちに不利益は生じないが、何よりも国際的なイメージが悪い。米国の人気歌手レディー・ガガが「バンコクで偽物のロレックスを買いたい」とツイートした“事件”は記憶に新しい。 ただ、タイ政府も手をこまねいているわけではない。4月には商務省知的財産局内に特別センターを設置。知的財産権や著作権の侵害をめぐり、程度の著しい侵害者については歳入局やマネーロンダリング取締局に通報したうえで50万バーツ以上の資産を没収できる仕組みを始めた。 また、今秋中にも、映画館での無許可録画に罰則を設けたり、インターネット上の著作権等の侵害に対して取り締まる関連法規の成立を目指し、汚名返上に意欲を見せている。 米国主導に穏やかでないところもあるだろうが、知的財産権保護に向けたタイの取り組み。ちなみに日本も1990年代に「優先監視国」や「監視国」とされた時期があった。... Read More
「AECって言うけれど…。」シリーズ3回目は、ASEAN加盟各国が世界中のどの国と結びつきが強いのかをまとめたデータ。貿易相手国ごとに輸出額と輸入額の和=貿易総額を比較、結びつきの強い順に%で表してある。(出典はいずれもIMF) まずは、上図、域内主要4カ国。タイとインドネシアで日本がトップに就いている。自動車や家電製品など日系メーカーが多数進出している両国。当面はこうした流れが続くものと見られるが、マレーシアも含め2位につける中国の動向が気になるところ。 また、マレーシア、インドネシア、シンガポールの3カ国は互いに主要な貿易相手国になっているが、タイだけは日本、中国、欧米、中東とのつながりが強く、マレーシアが6位にようやく顔を出す程度。AEC発足に伴い、こうした構図が変わるのか注目される。 中国との結びつきが極めて強いのが上図のグループ。地理的な要素も強いのだろうが、今後の発展が期待されるミャンマーは実に3分の1が中国との貿易と知り、驚いた。 タイと、その隣国であるカンボジア、ミャンマー両国との関係が緊密であることもデータから裏付けられた。特にミャンマーは、タイの一大天然ガス供給地。タイの経済発展がミャンマーの発展に通じる経済構造となっている。 社会主義国のラオスだが、言語が似通うなどタイの「兄弟国」として知られる。タイの通貨バーツもそのまま流通。そうした関係が貿易にも及んでいる。 一方、地下資源が豊富なブルネイ。石油や天然ガスの輸出先が貿易相手国の上位に並んでいる。社会保障が充実し、所得税がないことで知られるが、石油枯渇を見据えた投資業も盛ん。AEC発足を機に、オイルマネーの行方も機になる。 次回は、ASEAN加盟各国における原材料及び部品の現地調達割合比較。 さまざまな統計データを元に、タイと日本、タイと世界を比較するコーナーを新たに設けました。題して「数字で見るタイ事情」。ビジネスや経済ネタだけに限らず、タイ社会のちょっとした話題を提供します。不定期掲載。... Read More
2015年末の発足まで2年半を切ったASEAN経済共同体(AEC)。工場の域内分散や輸送ルートの新たな開拓など企業活動の活性化が期待されているが、ここに来て、こうした動向を見据えた新しい住宅供給の動きがバンコクで加速している。 日本人が多く住むバンコクのスクンビット通り。大手ディベロッパーによると、この幹線通りに面するエリアを中心に最近、日系投資によるコンドミニアム(マンション)の「1棟買い」が目立つようになったのだという。 かつては、こうした動きは中国人やロシア人の投資家によるものが一般的だった。日系資本がこうした動きをするようになった背景について、この大手ディベロッパーの取締役は「AECの発足でASEAN域内での貿易機会が増えるとの予測が膨らみ、その拠点としてタイへの関心が高まっているからではないか」とみている。 「1棟買い」を行う最大の目的が、独自の管理組合を設けた「日本式サービス」の提供。「何かと不安な海外で、日本人の管理人が常駐し、日本にいる時と同じような感覚で居住できるコンドミニアムは、バンコクと言えどもそうはない。このため、1棟買いによるサービスの提供が考えられたようだ」とは別の不動産会社の投資担当者。 スクンビット通り沿いで日本人世帯に人気のあるエリアは、BTS高架鉄道(スカイトレイン)のアソーク駅からトンロー駅(ソイ23~55)。延床面積70平方mほどの2ベッドルームタイプに人気が集まっているという。 バンコク都内の今年第1四半期(1-3月)の新築発売コンドミニアムは、前年同期比13.4%の増で1万6000戸余り。ここ数年間で最も高くなった。この多くがスクンビット地区や地下鉄MRTの沿線と見られている。... Read More
海外から投資を行う際、全額を内部留保で賄える企業は、そう多くはない。銀行など金融機関からの融資を受けるケースがほとんどで、タイをはじめ東南アジアでも例外ではない。そこで注目されるのが、こうした民間金融機関が設定する与信枠。回収ができなくなることを想定して、あらかじめ限度を決めていく仕組み。今回は、この与信枠について見ることにする。 ASEAN経済共同体(AEC)として間もなく新時代を迎える東南アジア。この6億人市場に対し、各国(地域)の民間金融機関が設定した与信枠が上図(2011年BIS、以下同)。市場統合をしたEU(欧州連合)がトップだが、一カ国単位で見た場合、世界1位は実は日本。米国よりも総額は大きい。 それだけ緊密な日本と東南アジア。では、従来はどうだったのか。その推移をまとめたのが下図。2002年からの10年間で35%も与信枠が増えた。それだけ、金融機関が東南アジア市場を有望と見ている証左とも言える。 さらにこれを国別に見たのが下図。金融都市シンガポールは別として、タイが圧倒的な地位を占める。域内最大の人口を誇り、自動車産業で競うインドネシアはタイの3分の2にも満たない。 ここまで深い繋がりをもったタイと日本企業、そして金融機関。AECが発足したからと言って、構図が劇的に変化するとはやはり考えにくい。 さまざまな統計データを元に、タイと日本、タイと世界を比較するコーナーを新たに設けました。題して「数字で見るタイ事情」。ビジネスや経済ネタだけに限らず、タイ社会のちょっとした話題を提供します。不定期掲載。... Read More
始めた時はどうなるかと思った新企画「タイの人々の暮らし」。情報集めも何とかなるもので、はや4回目。そろそろ衣食住など個別テーマを展開するはずだったのが、予定を少しだけ先延ばしに。今回は、タイ人家庭の貯金、借金事情をお届け! 連載第1回目では、一般的なタイ人家庭の所得並びに支出の内訳を紹介した。では、その中からどの程度が貯蓄に回り、どの程度の借金をしているのかを示したのが今回の上図データ(出典はタイ商業会議所大学、以下同じ)。 実に6割近い家庭で、わずかでも毎月貯金をしていることが分かる。収入が少ない⇒だから貯金できないだろう、と安易には考えてはいなかっただろうか。かなり堅実に生活している様子が見て取れる。 もちろん、月額はそう多くはない。でも、毎月2500バーツ(約8000円)以上の貯金している世帯が全体の15%近くにも上ることについては、市場への認識を改める必要があるかもしれない。 自分の仕事(量、質)に見合う収入を得ているかの認識を尋ねた結果が上図。全体として不満が過半を超えているとはいえ、「適当」と答えた人が47%を占めたことについては驚いた。同じ質問を東京都内投げかけた場合、同じような結果となるだろうか。 微笑みの国タイ。街を歩けば誰彼となく、笑顔で挨拶を返してくれる。それがタイ。人々は親切で、温かく、また来てみたくなる、心のふるさと。でも、実際に現地のタイの人たちがどんな暮らしをしているのかまではあまり知らない。新企画「タイの人々の暮らし」では、そんなタイ人家庭の様子や、ごく普通のタイ人がどんな暮らしをし、どんなことに関心を持っているのかを一話完結で紹介していく。... Read More
「AECって言うけれど…。」シリーズ4回目。AEC発足の「恩恵」としてよく取り上げられるのが、タイの周辺後進国、ラオス、ミャンマー、カンボジアの3カ国とを結んだ産業モデル。ASEAN加盟後発国の人件費の安いこれら国々に「第2工場」を造り、工業化で先行するタイなどをハブとする産業構想がそれ。だが、いくら人件費が安くても、製造したり、組み立てたりする原材料や部品が域外からの輸入ばかりでは、高コストとなって優位性は確保できない。そこでまとめてみたのが今回の「日系企業現地調達率」比較。 まずは、ASEAN主要諸国の1日当たりの最低賃金比較をしたのが上図。金融都市シンガポールは別格として、工業化で域内の先端を行くタイ、マレーシア、フィリピンで高額であるのが目につく。インドネシアは人口が桁違いに多いので簡単には比較できない。 一方、最低賃金が低いのは、ラオス、ミャンマー、カンボジアの3カ国に加えてベトナム。タイとは5倍弱の開きがある。 では、加盟各国ごとの日系製造業における「現地調達率」はどうなのだろうかと、比較をしたのが上図(世界貿易機関、政府統計、JETROなどのデータを元に作成)。工業化の進んだタイ、インドネシア、マレーシアで調達率が40%を超えていることが分かる。すでに大半の分野で関税を撤廃したASEAN域内を合計すれば、いずれも50%を超える。 一方で、フィリピン、カンボジアは日本からの調達が今なお最多。長年、事実上の鎖国状態にあったミャンマーは統計資料を手に入れることができなかった。 周辺新興国はどうなのだろうか。中国、インド、台湾の3カ国に進出する日系企業との間で同じ比較をした。やはり進出先での現地調達率が極めて高いことが浮き彫りとなった。 AEC発足後に誕生する新市場。賃金ばかりでなく、現地調達率という観点からの考察も必要なようだ。 さまざまな統計データを元に、タイと日本、タイと世界を比較するコーナーを新たに設けました。題して「数字で見るタイ事情」。ビジネスや経済ネタだけに限らず、タイ社会のちょっとした話題を提供します。不定期掲載。... Read More
毎週金曜日にお届けする新企画「タイの人々の暮らし」。前回はタイの一般家庭の所得と支出を紹介した。では、業種ごとにどれほどの格差、開きがあるのか、をまとめたのが今回。「へえ!意外にこの業種の給料が高いんだ!」。思わずびっくりのデータもあって、なかなか興味深い。 1ヶ月の賃金が最も低いのは、最大の就業人口を抱える農業で4813バーツ。一方、高いのは順に、電気/ガスの2万3834バーツ、情報通信の2万2509バーツ、金融業の2万1944バーツ…。 農業とトップの電気/ガスでは、給与水準でなんと5倍近い開きがある。にもかかわらず、就業人口では電気/ガスは農業の1%にも満たない。 「どうして、電気/ガスに従事する人の給料が高いの?」と思うのも無理はない。ライフラインの中心である電気もガスも、タイでは事実上の特定企業の独占状態。 タイでは発電と配電の各事業が分離されており、発電は政府系企業タイ発電公社(EGAT)が高いシェアを誇る。一方、配電は首都圏電力公社(MEA)や地方電力公社(PEA)が担当するが、いずれも競争相手は実際にはいない。ガスも国営企業タイ石油公社(PTT)の寡占状態で、基本的な仕組みは同じ。 しかも、電気料は国のエネルギー事業管理委員会の認可が必要といった具合に、ここでも競争原理は働かない。必然的にドル箱事業というのが、タイにおける電気とガスの実態だ。 第2位、第3位の情報通信や金融業界の給与が高額であるのは日本でも同じ。教育業界も意外に高額所得。一方で、公務員の給与水準が低いのが目につく。タイでは公務員の兼業が認められており、警察官が非番の日にタクシー運転手になることも珍しくない。 では、各業界が産業全体の中でどの程度の富を生んでいるかをまとめたのが上の円グラフ。製造料と流通/小売が圧倒的に多い。ここでも農業は就業人口に比して低迷をしている。かつての農業国タイはデータからも工業化が進んでいると言える。 微笑みの国タイ。街を歩けば誰彼となく、笑顔で挨拶を返してくれる。それがタイ。人々は親切で、温かく、また来てみたくなる、心のふるさと。でも、実際に現地のタイの人たちがどんな暮らしをしているのかまではあまり知らない。新企画「タイの人々の暮らし」では、そんなタイ人家庭の様子や、ごく普通のタイ人がどんな暮らしをし、どんなことに関心を持っているのかを一話完結で紹介していく。... Read More
微笑みの国タイ。街を歩けば誰彼となく、笑顔で挨拶を返してくれる。それがタイ。人々は親切で、温かく、また来てみたくなる、心のふるさと。でも、実際に現地のタイの人たちがどんな暮らしをしているのかまではあまり知らない。新企画「タイの人々の暮らし」では、そんなタイ人家庭の様子や、ごく普通のタイ人がどんな暮らしをし、どんなことに関心を持っているのかを一話完結で紹介していく。 タイの一般世帯が月にどれほどの所得(収入)を得ているのかを、タイ全国と首都バンコクの対比でまとめたのが下記グラフ。出典はいずれもタイ情報通信省。2010年の調査(以下同じ)。 1バーツを現在の為替レート約3.3円で計算すると、タイ全国では1万バーツ(約3万3000円)未満の収入世帯が半数以上を占めることが分かる。日本人がビジネスビザを取得するための収入の目安(イミグレーションでの基準)が5万バーツ(約16万5000円)だから、かなりの格差があることが分かる。 これを、バンコクに限ってみると、1万バーツ未満の世帯は全体の17.9%にまで減少する。一方で、先のイミグレーション基準である5万バーツ以上の収入世帯はぐっと増えて12.9%に。バンコクに暮らす人々は全国平均の倍以上の所得を得ているように概観される。 どんなものに、どの程度、支出しているのかを示したのが上記グラフ。世帯収入ほどに全国とバンコクで乖離はないが、それでも詳しく見てみると、「なるほど」と頷けるデータも。 例えば、家賃。バンコクでは14.1%であるのに対し、全国では11.8%。支出に対する割合なので、実際の負担額はかなりの差に。地価の差はタイでも同じといったところ。 次いで目立つのが車両関連費。バンコクでは7.8%に止まるのが、全国では9.5%に達する。バンコクには地下鉄(MRT)や高架鉄道(BTS)があり、バス網も発達しているものの、地方では自動車が重要な交通手段であることが数字から裏付けられる。 もう一つ。教育費が全国では2.4%に過ぎないものが、バンコクでは3.8%に。タイはまだまだ高学歴者が優遇される社会。教育熱の高まりが、教育費の負担を押し上げている。... Read More














