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タイで防災デザイン展を開催!「地震イツモノート」寄藤文平氏単独インタビュー

防災ブログラム「地震ITSUMO」とは何ですか?

1997年に発生した阪神大震災から間もなく10年が経とうしていた時のことでした。知り合いのNPO法人プラス・アーツのメンバーから「震災の記憶を風化させたくない」と相談を受けたのがきっかけでした。

でも、すでに震災後、10年が経過しており、あの地震は何だったのかという検証面での整理はある程度ついていました。また、改めて当時の生々しい映像を示したところで、10年後の読者・視聴者としてはなかなか入って行きにくいだろうという意見もありました。

そこで、デザインを使って図案化していくことで、受け入れられやすい構造化したものにならないかと考えたのが始まりです。阪神大震災の被災者167人から直接ヒアリングしたものをまとめ、私がイラストや図案を担当しました。

こうして出来上がったのが「地震イツモノート」(木楽社刊)という本です。キーとなるのは「モシモ」ではない「イツモ」。「日頃の備え」という考え方で、これを体系的にまとめたのが「地震ITSUMO」という防災プログラムです。

図案化することの利点、メリットは何ですか?

図案化するということは、ある意味で「傍観者」の視点に立つということでもあります。一言で言えば「俯瞰するスタイル」と言ってもよいでしょう。

こうした立場に立つと、極めて個人的あるいは個別的であった事象も連携しあったパブリックなものに見えてくる。点ではなく、面あるいは立体的なものとして捉えることができる。それが狙いでした。

震災被害は、被災した本人や家族の心には辛い記憶としていつまでも刻まれますが、そうでなかった人々にとっては時間とともに、遠い彼方にある「知らないもの」になってしまいがちです。

この「知らない人たち」へ震災の記憶をどのようにしたら伝えて行ったらいいのか。どのようにしたら、自分の問題として受け止めることが可能となるのか。そういったことが図案化の背景にありました。

俯瞰された全体像はパブリックなものになっていますから、それを見た人は、もはや個別な遠い出来事として受け止めることはありません。その全体の中から自分に適合したもの、「これなら自分にもできる」というものを取り出して、防災対策として取り入れていく。

この時の「自分なら」とか「自分のものとして」ということが、とても大切なことだと考えています。「備えあれば憂いなし」とは昔から言われたことですが、それを実行力あるものにするためには自己の問題として認識することが欠かせません。

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