本帰国する友人
数年前に旦那さんのタイ赴任が決まり、駐妻となった友人がいます。タイに来る前からの長いつきあいの友人です。ここ何年かは会うこともなく、連絡が途絶えていてたのですが、旦那さんのタイ赴任が決まりバンコクで再会したときは「まさかのご縁だね!」と驚いたものでした。
赴任が決まった直後は生活設営のお手伝いをしたり、接待で使えるようなお店をいくつか教えしたり、治安情報や生活のちょっとした知恵などをやりとりしていましたが、赴任後しばらくすると連絡が途絶えるようになりました。
ああ、新しい生活に慣れて、習い事でもして、お友達ができたり、奥様会(同じ会社の奥さんたちが集まってランチをしたり情報交換をする会)の活動に忙しいんだろうな。タイ生活を楽しんでいるってことだな、と思っていました。
ソンクラン休暇で日本に帰ったときなどは他の友人を誘って一緒にランチなどしていたのですが、「旦那があんまり家にいないからさ~。遊びにきてよ~」という彼女に、「そうはいっても忙しいんだろうなー」「キラキラ駐妻ライフ送ってんだろうなぁ」と思っていたのと、私自身も仕事や自分の友達との付き合いに忙しく、あまりバンコクで会う機会はありませんでした。
しかし先日、そんな彼女と話していて駐妻生活にも色々な悩みがあったことがわかりました。
駐妻の悩み
大手企業の駐在員である旦那さんは毎日のように接待やら残業やらで夜も遅く、週末も接待ゴルフや出張者対応でほとんど家にいないような日々だったそうです。まだまだタイでは「24時間戦えますか」という価値観で働かざるを得ないこともあり、まさに企業戦士。
そんな彼女の旦那さんはタイ語ができない(しかも学ぶ気もない)ため、いつしか専属ドライバーさんとのやりとりは彼女を通じて行うことになり、1人の時間には必死でタイ語を勉強していたとのこと。深夜に帰宅する旦那さんから翌日のスケジュールを聞き出し、翌日の予定をドライバーさんに伝える、それだけでもかなり大変だったと思います。
奥様会についても、人数が多くて友達をつくるような雰囲気でもなかったそうです。定期的な昼食会があったそうですが、アルコール禁止。お父さんたちが働いている時間に呑んでいるのは確かにちょっと…と思いますが、それだけカジュアルな付き合いのできる場ではなかったのでしょう。
お子さんを学業の都合で日本の祖父母宅に預けており、彼女は定期的に日本とタイを行き来していたそうで、想像していたようなキラキラした駐妻ライフを送るような金銭的余裕もできなかった、と話していました。
最後のひとこと
タイ語学校へ行くのも旦那さんのサポートのため、となかば義務化し、友達もあまりおらず、とても寂しい日々だったと思います。私ももっと連絡をとったり、会いに行けばよかった。そこはちょっと後悔しています。
もうすぐ本帰国。残りのタイ生活はきっと引越し準備であわただしくすごしていることでしょうが、ソンクランに日本で会おうね、と約束をしています。
「駐在員なんてね、自分のことしか考えてないのよ」
最後に会ったときに彼女が吐き捨てるように言った一言が忘れられません。