九州の博多と鹿児島を結ぶ九州新幹線の全線が開通して満2年を迎えたのを機に、JR九州が目指す鉄道のあり方とデザインなどを紹介する「JR九州と水戸岡鋭治の鉄道展」のオープニングセレモニーが15日、バンコクの商業施設エンポリアム6階TCDCホールで行われた。入場無料。一般開放は16日(土)から。5月26日(日)までの開催(月曜日休館)。
昨年4月、タイのインラック首相が九州を訪れ、全線開業1周年を迎えた九州新幹線に記念乗車。九州の福岡県とタイのバンコク都が友好提携都市であるなど親密な九州とタイの関係を背景に鉄道展の開催が決まった。
オープニングセレモニーでインラック首相はJR九州の鉄道技術に触れ、「タイにも高速鉄道計画があり大いに関心を持っている。協力をお願いしたい」などと語った。一方、JR九州からは唐池恒二社長が挨拶に立ち、九州の魅力などを紹介。タイ人観光客の訪問を呼びかけた。
開会式に先立ち会場では、九州新幹線「つばめ」のデザインやJR熊本駅の改装などを手がけた工業デザイナー水戸岡鋭治氏がセミナーで講演。「デザインは公共のためにある」ことやデザインを手がける時の心構えを語った。
JR九州からも担当役員が説明に立ち、水戸岡氏が企画し、今秋に運行を開始するクルーズトレイン「ななつ星in九州」などが紹介された。「ななつ星in九州」は3泊4日ないし1泊2日の日程で九州各地の観光地を巡る周遊列車。ラウンジやダイニングカーを兼ね備え、14室ある個室は畳敷きの和風仕様。定員28人は予約や問い合わせで空席を確保するのが難しい状態。10月から週に1便の予定で運行されることが決まっている。
展示会場には、九州地方を走行していたかつての客席などが再現。映像や音声、展示品などでJR九州の歴史や今に親しむこともできる。子供向けの遊具も設置されている。