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New Latitude Wine 新緯度帯ワインの魅力。番外カオヤイ編1

ウィスット・ローヒットナーウィさん
ウィスット・ローヒットナーウィさん

バンコクから北東に200キロ。1000メートル級の山々が連なるナコーンラチャシマ県・カオヤイ国立公園の麓に、目指すワイナリー「GranMonte(グランモンテ)」はあった。

16ヘクタールのブドウ畑。オーナーのウィスット・ローヒットナーウィ(Visooth Lohitnavy)さんが手塩にかけて育てた苗木が青々と葉を広げている。燦々と降り注ぐ熱帯地方特有の刺すような陽の光。ブドウの苗木は大地にしっかりと根を張り、全身に強い光を浴びることで、濃厚な果実を作り出していた。

ワインのメッカ、南フランスのブドウ畑と似た「垣根栽培」が主流。日本でよく見られる「棚栽培」に比べて収量は落ちるが、一つ一つの実に養分が行き渡るため、濃厚で糖度の高い果実が出来上がる。単価も上昇することから、採算性にも見合った栽培方法とされている。

手入れは基本的に手作業。強い陽の光は必要だが、浴びすぎても良くないことから、適度な葉の除去作業が毎日のように繰り返されている。刈り取りに忙しい女性作業員の両手は、男性労務者のように太く厚かった。

日中と夜間の気温差が15度前後にもなる良好な気象条件。果実は毎朝、夜露に濡れる。痩せた土地の地中深くに根を張ることで、ミネラルをふんだんに取り込んだ、まろやかなブドウに仕上がる。
収穫は毎年1月から2月にかけてと8月から9月にかけて。乾期(前者)に収穫される濃厚な果実がワイン向けとなる(後者はジュース用など)。

GranMonte(グランモンテ)
オーナーのウィスット氏が創業したタイ東北部ナコーンラチャシマ県にあるワイナリー。15年ほど前からブドウ栽培を始めたが、ワインの醸造は従来は委託生産が中心だった。豪州アデレード大学醸造学部にワイン留学した実娘ニッキーさんが帰国して以降は、敷地内にある自社工場でワインの醸造を開始。2011年には海外で43もの賞を受賞するなど、世界に「タイ産ワインあり」の名を轟かし、話題となっている。人気急上昇中の同ワイナリーを7月上旬に訪ねた。

「垣根栽培」と「棚栽培」
ブドウを栽培する時の栽培法の違い。乾燥した大地が広がる南フランスやイタリアなどの垣根栽培に対し、降雨が多く湿度が高い日本などで採り入れられている栽培法が棚栽培。人の背丈ほどの高さに設置された棚に苗木を這わす独特な方法で、できるだけ水分を遮断するという狙いがある。だが、一方で1本の苗木に多くのブドウが結実することから、養分が分散しがちで、果皮が薄くなりやすいというデメリットもある。果実が葉に隠れやすく陽の光が十分に行き渡りにくいという弱点も指摘されている。

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