4月25日から中国・北京で開かれている国際会議で、中国が推し進める広域経済圏構想「一帯一路」に関連し、中国・タイ・ラオスの3カ国が中国南部の昆明からラオスを通りタイ・バンコクに至る高速鉄道建設に関する覚書を交わしたそうです。
同書には、メコン川にタイ東北部ノーンカーイ県とラオスのビエンチャンを結ぶ新たな橋を架けることなどが書かれているのだとか。同地周辺にはすでにタイ・ラオス友好橋がありますが、橋の下流側にさらにもう一本架ける計画です。中国で採用されている標準軌で、タイとラオスも合わせます。
バンコクーノンカーイ区間は2023年完成
昆明からラオス国境までの高速鉄道は完成に近づき、ラオス国内でも中国支援のもと、着々と工事は進んでいます。タイ側でも、中国が協力するバンコク-ノンカーイ間を結ぶ高速鉄道工事が着工され、タイ政府は2023年の完成を目指し取り組む方針を示しています。
タイの新たな中央駅
一方タイ国内では、新たな中央駅となるバンスー駅の工事が進み、ドンムアン空港方面へ向かう高速道路上から巨大な駅工事を望むことができますね。また、高速鉄道はタイ政府が進める東部経済回廊(EEC)の目玉事業の一つであるドンムアンースワンナプームーウタパオの3空港を結ぶ鉄道とも連結するそうです。さらに、高速鉄道はマレーシアへと南下し、シンガポールが終着となるため、将来的には中国からシンガポールまで鉄道旅行ができるようになるかもしれません。
45年ぶり、タイ・カンボジア国境鉄道が開通
その他、22日にはタイ・カンボジア両政府が両国間を結ぶ国際鉄道を開通する調印式を開きました。鉄道の運行は、両国の関係悪化を受けて1974年に停止して以来、実に45年ぶりだそうです。これまで両国間の物流はトラック輸送しかなく、鉄道物流の整備で域内分業が加速することが予想されています。鉄道がASEANの次の成長に寄与することは確かでしょう。