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日本の80〜90年代ソングの意志を継ぐタイの人気バンドPOLYCAT

日本の80〜90年代ソングの意志を継ぐタイの人気バンドPOLYCAT

POLYCAT-NA

本日はANNGLEの読者の皆様、タイ好きの日本人の皆様にどうしても知ってもらいたいタイのバンドがあるのでこの場をお借りしてご紹介させて頂きたいと思います !

POLYCAT〜あえて時代に逆行するオリジナリティ〜

今回紹介するPOLYCAT(ポリーキャット)は1980〜90年代に世界的に大流行したシンポップ(シンセサイザーというキーボードに似た楽器を使用した音楽)を中心に楽曲を手掛けるタイの大人気バンドです。メンバーはリーダーでボーカルのNaさん(本名:ラタナ・チャンプラシット)、キーボードのPhiawさん(本名:ピアオ・ワタナベ)、ベースのTongさん(本名:パラゴーン・ガンチナ)以上の3名から構成されています。皆さん同様にシンセサイザーを使いこなし、楽曲によって演奏を行なっています。

Skitterphoto / Pixabay

チェンマイで生まれたバンドグループ

元々は同じ大学の友人とバンドを組んだのがきっかけで、メンバーの出身地である地元チェンマイ(タイの北部の都市)のパブや飲み屋でSka Rangers(スカーレンジャーズ)というバンド名で活動していました。その後、ハリウッド映画の「ザ・ハングオーバー2」で偶然演奏する機会を得たとの事です。その時に出会ったシンポップという曲のジャンルに惹かれ、それまでバンドの中心だったスカーやレゲエ(1950年〜80年代にジャマイカから広まったポピュラー音楽のジャンル)中心の楽曲から徐々にシンセサイザーを使用したシンポップへと移行していきました。その後2011年にバンド名を現在のPOLYCATへと改め、タイの楽曲レーベルであるSmallroomの下で活動を続けています。

タイの古都チェンマイ pbziegler / Pixabay

ちなみにPOLYCAT の名前の由来はリーダーのNaさんが使用していたシンセサイザーの「POLY-6」のPOLYと猫が大好きな事から(現在Naさんは猫を9匹飼っているとの事)このバンド名が誕生しました。一度POLYCATの楽曲を耳にすると、どこか懐かしい気持ちになるかもしれません。特に80〜90年代のバブル期絶頂から新時代の到来を思わせる新たなJ-POP台頭を思い出させるあの時代を。果たして彼らの持つ世界観は一体どのようなものなのでしょうか?

今回は特別にPOLYCATのリーダーでボーカルを務めるNaさんにアドミンはお話を伺う機会を得ました。ここではその内容を一部紹介させて頂きます。少しでもPOLYCATの音楽、そして世界観に触れみて下さい。

POLYCATが日本の音楽から得た影響

ANNGLE : 本日はどうぞ宜しくお願いします。先ずは大まかなバンドのコンセプトについてお伺いさせていただきたいのですが。
Naさん>宜しくお願い致します。POLYCATは元々同じ大学の学部の友人と始めたバンドです。元来はレゲエなどを中心の楽曲を制作していました。その後映画をきっかけにシンポップやシティポップといった楽曲を手がけていくようになりました。

Pretty...good
Pretty…good

実際、私とメンバーのトンさんは近い時代の楽曲を聴く趣味を持っています。私は70年代のソウルミュージックや80年代のマイケルジャクソンに代表されるヒップポップ、一方でトンさんは80年代のエレクトロニックを好んで聴いていました。また日本人の父を持つピアオさん(日本とタイのハーフ)が日本の80年代を代表するCASIOPEAというバンドや山下達郎さんの楽曲を勧めてくれました。それを聴いた時に私はとても気に入り日本の80年代の楽曲を真似てアジアンテイックな音楽と融合させて楽曲を作り始めました。その時の代表的な楽曲が『เพื่อนไม่จริง プアンマイジン 日本語訳 : 偽りの友達 』です。この曲には80年代の日本らしさを曲調に織り交ぜました。

というのも作曲の際のコード進行の配置や3つのキーを一つの音節に組み込む方法も80年代当時の日本で流行した作曲方法でした。言わばその方法に独自のオリジナリティを加えた80年代のアジアン楽曲と呼べるかもしれません。

『เพื่อนไม่จริง プアンマイジン 日本語訳 : 偽りの友達 』

音楽活動のきっかけはX Japanや久保田利伸など

ANNGLE : Naさんは日本が好きですか?また日本の曲をどう思いますか?
Naさん>はい、大好きです。私が洋楽を好きだと思う人もいるかもしれませんが、実はバンドを始めたきっかけは日本のX JAPAN なのです。『WEEK END』や『CRUCIFY MY LOVE』が大好きで、初めて聴いた時からずっと私の憧れです。

X WEEKEND
X WEEKEND

日本語が分からなかったですが、何度も何度も聴いて歌えるようになりました。他にも山下達郎さんや久保田利伸さんの曲を聴いて音楽の世界にどんどん夢中になっていきました。(タイでも数年前に日本の大人気ドラマ「ロングバケーション」が放映され、その主題歌であるLA LA LA LOVE SONGの認知度は結構高い) 日本は言わば私を音楽の世界に引き込んでくれたきっかけのようなものですね。

実は日本の音楽市場に日本語だけの楽曲で進出していた!?

POLYCATを代表する楽曲 『มันเป็นใคร マンペンクライ 日本語訳 :それは誰ですか 』や最近ヒットした『อาวรณ์ アーウォン 日本語訳 : 哀愁 』といった曲の他にも、POLYCATは日本語だけで歌う楽曲もリリースしている。それらが収録されているアルバムが、2017年10月に日本で発売されたアルバム「土曜日のテレビ」である。この中に収録されている『たくさんの花 (The flowers) 』が特にオススメです。もし機会があれば是非皆さんにチェックして頂きたいと思います。

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ANNGLE : 日本の音楽市場に進出するのは難しいですか?
Naさん>別に日本で売れたくて日本の市場に進出したわけではないです。ただ自分が作りたいから作っただけですね。その時は経済的な事は一切考えずにただ好きでやりました。でも経済の観点で見ると大失敗ですよね。笑 でも私は先にアルバムを作っちゃいました。ファンは後からでも探せばいいやと。だから日本へ行ってもコンサートをして人が来なかったらどうしようとか、そういった変なプレッシャーは一切無いですね。でもアルバムを出した時に、そのアルバムが外国の楽曲ではなくて日本語の販売コーナーに置かれていた時は日本好きの私として本当に嬉しかったです。

ANNGLE : 日本語とタイ語の作曲の違いは何ですか?
Naさん>普通タイ語の曲だと作詞してそのままリズムをつけるだけですが、日本語の曲は作詞して少しずつ日本人の友人に訳してもらいました。日本語は声調がないのでよっぽどひどくない限り理解してもらえると勝手に思っています。笑 メロディの中に日本語をはめ込んでいきます。本当に正しい発音なのか作曲の際は日本語話者ではないのであまりわかりません。笑 日本人の友人にチェックしてもらっています。

日本語の曲を歌った経緯はスラムダンク

ANNGLE : 日本語の曲を歌うようになった経緯を教えて下さい。
Naさん>POLYCATとしてシンポップの楽曲を作り始め程なくして、私は日本のあるバンドと一緒に演奏する機会を得ました。そのバンドは『湘南サウンド』と呼ばれるジャンルの楽曲を演奏していました。湘南サウンドは神奈川県の湘南市発祥の音楽で、この街は若者が海を求めて集まり、私が大好きな漫画スラムダンクの発祥の地でもあります。このアニメの主題歌にも起用されたWANDSの『世界がおわるまでは』もこの湘南サウンドのジャンルに当たると言えます。この頃から80〜90年代の音楽にハマり出し、徐々にシティポップの音楽を聴き始めるようになりました。

ANNGLE : シティポップとはどのような音楽ですか?

Naさん>シティポップは湘南サウンドと近いジャンルの音楽で、海や都市の暮らしを音楽の中に織り交ぜたもので80年代以降の日本で流行したジャンルです。タイでいうプムプアン・ドゥアンチャン(ルークトゥン(タイの東北部イサーン地方の楽曲)の女王と呼ばれるルークトゥン歌手)のような位置づけになると思います。私が日本に初めて行った時からこの曲のジャンルにすごくハマりました。このジャンルのCDを買い漁り、いつか自分でこのジャンルの楽曲を作って歌いたいと思っていました。その頃はタイ語で歌えたらいいと思っていましたが、制作レーベルからこのジャンルの曲を作るなら日本語でも歌った方がいいよと言われました。

僕はどうしようと思いました。だって日本語が全く出来なかったですからね。笑

なのでタイ語で作詞作曲をして日本人の友達に翻訳してもらいました。しかし日本語が分からないので頭に歌詞が全然入ってきません。はじめはひたすらローマ字で暗唱して歌っていました。昔X JAPAN の曲を見よう見まねで繰り返し聴きながら覚えたのでその時の経験が生きているのかもしれませんね。

作詞・作曲・ボーカルを全てを担当するNaさん

POLYCATでボーカルを務める他に作詞・作曲も自らの手で行っているという。そんな忙しいNaさんにどのように仕事をこなしているのか伺ってみました。

ANNGLE : 歌を歌うこと、作詞・作曲を同時に行うのは大変ですか?
Na>はい、大変ですね。今も自宅に沢山のメロディを保管しています。仕事で車で別の県に移動する時などに歌詞を考えています。今その時の気分に合った曲や歌詞を考えますね。

気さくにインタビューに答えてくれるNaさん
気さくにインタビューに答えてくれるNaさん

ANNGLE : 歌詞はNaさんの実体験に基づいたものですか?
Naさん>そうですね。大体の人は作詞・作曲は実際の深い体験によって作られていると思っているはずです。でも、実際はもっと些細な事なんです。例えば『เป็นเพราะฝน(ペンプロフォン 日本語訳 : 雨が降っているから)』という曲は隣の部屋が大声でうるさくて、本当に迷惑でした。それをただ単純に歌詞の中に入れたものです。笑

また、『เพื่อนไม่จริง(ペンプロフォン)』は大学時代の実体験に基づいています。大学の行事でバディを組んだ時にたまたま女性でした。私は彼女が家に1人で帰る時に大丈夫かなと心配したので家まで送って行きました。その時に別の友達から冷やかされたんです。それをそのまま歌詞にしました。このように日常生活の些細な事を音楽にしていますね。

ANNGLE : Naさんは日本とタイの違いをどう捉えていますか?
Naさん>日本人は本当に真面目ですね。真面目過ぎて少し驚きました。でもそれは日本人の長所だと思っています。どんな時も彼らは私の決断を本当に尊重してくれます。もしタイ人のプロデューサーと仕事するとなると、彼らは自分の考えや意見を押し付けというか織り交ぜようとしてきます。笑 その点日本人は自由に作詞・作曲させてくれます。お互い一緒に仕事する場合は両方の意見や考えを出し合うのも必要とは思いますが、私にとっては非常にやりやすいです。

現代の音楽業界に対する価値観

ANNGLE : 最近の音楽事情についてどう思いますか? 特に日本ではアイドルの歌手が増えて大きな変化があります。
Naさん>最近タイでもBNK48(AKB48の姉妹グループ)やアイドルグループが話題となりました。 ビジュアル面が先行しすぎて音楽市場の見かたとして一部批判もあるものの、私は音楽は時代に合わせて変化していくものと捉えています。どれがいいかなんて結局は聴く人の好みによるので、一概に良い・悪いなんて決め付けられないですね。

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ANNGLE : 自分が作りたい曲を作る、又は人が聴きたくなる曲を作る、どちらを選びますか?
Naさん>自分が作りたい曲を作りますね。昔Buddha Blessというバンドのウィさんが、「人に合わせて曲を作るのは自分の魂を売るようなものだ。」と言っていたのを耳にしました。それは音楽をしていてもつまらないものだと思います。でも自分がやりたい事をしていると幸せなんです。だから僕は今とても幸せです。笑

ANNGLE : 自身の1番お気に入りの曲は何ですか?
Naさん>今は最近リリースした「อาวรณ์」(アーウォン 日本語訳:哀愁)が気に入っています。もしこの曲を除けば 「ภัคดี」(パックディ 日本語訳:忠実)ですね。「อาวรณ์(アーウォン)」は特に自分が伝えたい内容をそのまま歌詞に入れて、又他の曲とは違うオリジナリティがあります。本当に思い入れの強い大好きな曲ですね。

一方「ภัคดี(パックディ)」は歌詞の内容と曲のいきさつが少し変わっています。友達が何の学部で勉強しているの?とよく尋ねてくるのですが、僕は「建築学部です。勉強量が多く、大変なので絶対入るべきではない。」と答えるのですが、そうは言うものの心の中ではこの学部に対して少し誇りに思っています。それは恋愛と同じようなもので、一途になれ、自分の事を好きな人を好きになりなさいと言っても実は心の中ではそうではない時があります。そのような心境を歌詞にしました。

「อาวรณ์」(アーウォン 日本語訳 : 哀愁)

日本のファンの方へのメッセージ

ANNGLE : 最後に日本のファンへ何かメッセージを頂きたいです。
Naさん>親愛なる日本の皆さんこんにちは。私たちPOLYCATは日本の皆さんにこのように知っていただける機会を持てて本当に嬉しいです。メンバーの皆日本も日本の音楽も大好きです!!先日東京と大阪で歌を披露する機会を得ました。そこで日本のファンの方々と交流しました。日本人のファンの方々がアーティストに対して敬意を持って接する様子を目にしてとても感動しました。日本で歌えて本当に楽しかったです。また機会があれば日本で演奏してみたいです!いつか日本のファンの方々とお会い出来る事を本当に楽しみにしています!!

ANNGLE : これにてインタビューを終わります。本日はどうもありがとうございました。
Naさん>はい、こちらこそこのような機会を頂きありがとうございました!

まだ彼らの曲を聴いたことがない方は是非一度彼らの楽曲を聴いてみて下さい!
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Instagram
@napolycat : Naさんのインスタグラム
@polycatband : POLYCAT のインスタグラム

〜TAKAの一言〜
この度はANNGLEさん主催のタイ語でのインタビューに同行させてもらいました。元々は自分が初めてPOLYCATの曲を聴いた時にこのバンドの大ファンになり、たまたま日本で行ったコンサートでNaさんとお話する機会を得ました。その後タイ語の歌詞を日本語に翻訳して曲作りに協力したのがきっかけで今回のインタビューが生まれました。Naさんは本当に綺麗な歌声をしていて、また彼らの独特の音調にも惹かれます。POLYCAT 、タイのバンドで覚えていて絶対損は無いと思いますよ!日本でライブして欲しいなどの相談あれば直接DM送ってみて下さいね!!X JAPANさんや織田裕二さんにお会いしたいと強く願っていたのでいつかその機会が実現する事を影で強く願っています!

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