皆さんこんにちは。今回は、ホットなイギリス王室の皇太子ご誕生ニュースを経済に絡め、【イギリス・ベビーノミクス】のお話を致しましょう。
皆さんは、今回のロイヤルベイビーの誕生の経済効果がいくらくらいか、想像できますか?
何と、短期的な効果だけでも5億2000万ポンド(約790億円)とも言われており(ロイターズ紙)、お祝い用シャンパンの売上げだけで、6200万ポンド(約95億円)と試算されているのです。
ジョージ王子が包まれていた、このGH Hurt and Sonによるウール製ハンドメイドショール(45ポンド=約6,750円)は、王子お披露目以降注文が殺到。イギリスへの旅行者の数も1年前比較で10%増。旅行者のイギリスでの消費が期待される事で、経済効果アップは間違いありません。
また、この波及効果は企業のみに留まらず、ウィリアム皇太子とケイト妃がサポートしているチャリティグループのディレクターは、このお祝いムードでイギリス国内からのみではなく、海外からの寄付金も増加しているとコメントしています。
更に驚く事に、このイギリスのお祝い便乗商戦に、日本企業もちゃっかり便乗しており、ちまたでは、「王冠ニット帽子」「王座風ベビーチェア」「バッキンガム宮殿衛兵ベビー服」「ロイヤル赤ちゃん吐き戻し用エチケット袋」などなどの雑貨が、プレゼント用などに人気を博している様子。
冷え込むグローバル経済にとっては、ロイヤルベイビー効果様々です。
そして、このような【ロイヤルベイビーお誕生商戦】の短期的な波及効果に加えて、長期的な効果にももちろん期待が。
まず、祝賀ムードで、国内の消費者センチメントが上向くとともに、英王室人気の拡大が、海外での英国のイメージを支える事で、更なる経済効果が期待できるという点が挙げられます。
更には、英紙のイブニング・スタンダードによると、新年にはエリザベス女王の孫娘も第一子を出産予定で、 イギリスが近年1971年以来というベビーブームを記録している事を指摘しています。ロイヤルベビーブームが、消費を後押しするだけでなく、ベビーブームをも後押ししていると強調し、少子化問題を抱える先進諸国を尻目に、ロイヤルベイビー効果を高く評価する声は多いようです。
イギリスの景気が冷え込む中、このロイヤルベイビーのお誕生は、プラス材料になりきるのでしょうか???
ちなみに、25日現在の過去5日間の円VSポンドの動きはチャートの通り、直近は下がっています。
イギリスの株式指標の代表、FTSE100も同様に、直近は大きく下げ、国内の祝賀ムードよりも、アメリカの経済指標ダウンの方が、為替や株価には大きく影響したようです。
QEの行方を巡った、FR(連邦準備銀行)のポリシーミーティングを来週に控えるアメリカのドルは、5週連続でバスケット通貨 に対して下げを記録する等、通貨市場も米ドル主体の動きが顕著です。
やはり、世界経済の回復の鍵は、アメリカが握っている感は否めませんが、嬉しいイギリスからのニュース、新しいロイヤルベイビーの健やかなご成長をお祈りしつつ、世界経済の回復を期待するたなかでした。