地元紙によると、タイの国家経済社会開発委員会(NESDC)のトサポーン長官が3日に開かれた閣議で「タイ経済は減速しているのは確かだが、リセッション(景気後退)しているわけではない。経済は依然成長しているが、ペースが鈍化しているだけ」と明かしたそうです。
タイ経済の成長率は3.0%
その上で、政府が先日発表した景気刺激策によって、2019年のタイ経済の成長率は3.0%になるとの予想を示したそうです。これまで、NESDCは同成長率について、2018年第1四半期が5%、第2四半期が4.7%、第3四半期が3.2%、第4四半期が3.6%となった後、今年の第1四半期が2.8%、第2四半期は2.3%と発表しています。
付加価値税(VAT)収入減
ご存知の通り、経済成長の減速は米中貿易戦争やバーツ高による輸出減が理由とされており、財務省財政政策局(FPO)は「米中貿易戦争と国内の干ばつの長期化を背景に国内消費が悪化している」との認識を示しました。FPOは、国内消費の指標となる付加価値税(VAT)収入が7月に、前年同月比9.1%減となり、6月の同5.6%減から減少率が拡大。1~7月のVAT収入は前年同期比0.5%減となりました。
一人に1,000バーツ付与は正解?
今後については、景気刺激策のひとつである観光業支援(1人当たり1,000バーツの商品・サービスの購入資金を支給)により、同経済成長率を0.1~0.2%押し上げると推計。「経済成長は減速しているが、景気後退ではない」。少々、楽観的所感のような気もします。