アングル
角度を変えてタイからアジアを覗く

タイの人々の暮らし 第3回 タイ人世帯の富裕層・中間層割合

タイの一般の人々の暮らしを紹介する新企画。前回は業種別の平均賃金一覧を紹介した。今回取り上げるのは、ニュースなどで「富裕層や中間所得者層が拡大し…」などと耳にはするものの、今ひとつ実態が分からないこうした情報。富裕層や中間層がどの程度の割合で増えていくのかをまとめてみた。

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民間の調査機関ユーロモニターによると、タイは2009年の時点で、年間の可処分所得が1万5000ドル(約105万円)を超える世帯は、全体の17.7%(3.1%の富裕層+14.6%の上位中間層)。可処分所得とは、給与などの収入から支払義務のある税金や社会保険料などを差し引いた、いわば「自由に使えるお金」。可処分所得が増加することで、一般に消費も拡大する。

統計によっては、年間の可処分所得5000ドル超1万5000ドル以下(約50万円~150万円)を「中間層」に加えることもあり、これを含めると実に3分の2近い世帯が「中間層」以上となる。これが将来、どう変化するのかを示したのが上記のグラフ。

2015年で4分の3、2020年では実に8割以上の世帯が「中間層」以上になる。富裕層も2020年にはついに10%を超える。

では、同様に東南アジアの工業国で知られる周辺諸国はどうか。それをまとめたのか下記。まずは、自動車などで競合するインドネシア。

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インドネシアは2009年時点だと、実に全世帯の3分の2が「低所得層」。これが2015年になると4分の1近くにまで低下し、2020年には15%以下にまで減少する見通し。消費意欲が旺盛な富裕層と上位中間層は合わせて3分の1を超える。

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同じインドシナ半島にあるベトナムのデータをまとめたのが上図。ベトナムも2009年時点で80%の国民が「低所得層」だが、2015年には6割弱に減り、2020年には4割弱にまで低下する見込み。インドネシアよりも所得上昇のペースは遅いが、確実に富裕層や中間層が増えていることがデータから分かる。

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金融都市シンガポールや、いち早く先進国化に成功したマレーシアは産業構造や施策が異なるため同列には比較できないが、タイを中心に東南アジア諸国が確実に所得を上昇させていることはデータからも疑いようもない事実。さて、これをどう見るか――。

次回は、一般的なタイ人世帯の貯金事情と借金事情など。その後、衣食住など個別テーマに焦点を当てた「タイの人々の暮らし」を紹介していく。

微笑みの国タイ。街を歩けば誰彼となく、笑顔で挨拶を返してくれる。それがタイ。人々は親切で、温かく、また来てみたくなる、心のふるさと。でも、実際に現地のタイの人たちがどんな暮らしをしているのかまではあまり知らない。新企画「タイの人々の暮らし」では、そんなタイ人家庭の様子や、ごく普通のタイ人がどんな暮らしをし、どんなことに関心を持っているのかを一話完結で紹介していく。

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