今月23日に山梨県富士河口湖温泉郷の「富士の宿 おおはし」を訪れたタイ人観光客が”第2会議室”という部屋に案内されたとFacebookに投稿してタイ国内で炎上。それらの内容は即日日本の報道番組でも取り上げられたが、放送内容の論点がズレた内容だったため、日本の番組によって悪者に扱われたとして、タイ国内でさらに物議を醸しだしている。

第二会議室旅館騒動

今回被害にあったタイ人観光客は、10月23日から25日まで「富士の宿 おおはし」をホテル予約サイトの「アゴダ」で予約。当日、案内された部屋の扉には「第2会議室」というプレートが掛かっており、その下に「Standerd Room Fuji」と書いた紙が貼り付けられていた。

その状況に対し、タイ人客はサイトに掲載されている和室の写真と異なる部屋だとフロントに問い合わせたが、ホテル側は「予約された部屋は格安のシェアルームです。今回は特別にパーティションを立てさせていただいております。」とのこと。予約時のブッキングバウチャー(Booking Voucher)を見せても「シェアルームなので仕方がない。通常の部屋にするには一人当たり3000円/泊が必要です。」との答えだった。

その後、タイ人客は親戚の日本人(姉の旦那)にも連絡をとり、再度ホテルへ日本語で問い合わせたが、対応不可。アゴダ(Japan)に問い合わせても同じく対応不可能とのこと。最終的にアゴダ(THAILAND)に問い合わせてサイト運営側(日本)の写真掲載ミスだという事が発覚。グループ会社であるブッキングドットコムが負担し、本来予約した客室に案内した。

タイ人が呆れた日本の報道番組

今回の騒動について、日本の報道番組はタイ人旅行者本人へ直接インタビューをしたが、その内容は騒動の論点から外れた質問ばかりだったとのこと。タイ人旅行者はインタビューを受けた当時の様子を下記のように残している。

以下、タイ人旅行客のコメント

今回の旅館騒動について、日本のマスメディアから約30分ほどのインタビューを受けました。私自身もこれほどの騒動になったこともあり、事実を全て伝えようとしましたが、インタビューでは事実確認等は一切なく「あなたの投稿によって、ホテルが被害にあったことに対して、どのように感じているのか?」という内容ばかりでした。

他の観光客も同じ被害にあわないために、ソーシャルメディアに投稿するのは普通のことです。今回は私の投稿によって、アゴダやホテルの皆さんがサービスを改善してもらえたらいいなと思っています。また、私のFacebookのコメントにも「その程度の料金だから、そんな部屋に案内されて当然だ」という方もいましたが、それは違うと思うんです。というのも、実際に私が見て予約した部屋は写真と異なっていた。

やはり本件での1番の問題は写真のアップデートを忘れていたサイト運営の責任であり、もし、会議室部屋の写真を見て予約したとしたら、会議室がどんな状況てあっても泊まると思います。

それでも、記者の方は繰り返し同じような質問を重ねてきました。「SNSは恐ろしいのは知っていますか?」とか、「ホテルはひどく被害をうけたんです。」と。

私ーーーソーシャルメディアが恐ろしいのは知っています。ですが、私は友達にただ気を付けてもらいたかっただけです。なので、ホテル側は客に迷惑をかけた事実を理解して頂きたい。実際にサイト上のコメントを調べてみたら、以前にも同様のトラブルがあったようなので、もし同じようなことを続けているようであれば、なるべく早く改善していただきたいです。

記者ーーーホテルはこのような部屋はバックパッカーがよく泊まるのは知っていますか?彼らは特に問題ないようです。

私ーーーでも、私はこのような部屋を予約したんじゃないです。最初からわかっていて自分で予約したなら文句は言いません。

記者ーーーホテルはとても困っていることに対して、あなたはどのように思っていますか?(この時点でこの質問は4回目)

私ーーーえーと。記者さんはどんな答えがほしいんですか?私はさきほど答えましたよ。同じような質問ばかりですね。

記者ーーー今は多くの人はホテルが悪いと思っているようです。ホテルの業務もかなりの被害を受けています。どのように思っていますか?

私ーーーそれは改善すべきです。あの「パーティションルーム」はいくら「シェアルーム」といわれても寝れるような部屋じゃないと理解してほしいです。あの部屋は避難所のような一時的に作った部屋みたいで、観光客が喜んで寝られないですよ。

インタビューは終了し、記者さんと会話したところあの部屋は既になくなったそうです。

私ーーーすごくいいですね。お金を貯めて日本にはじめて旅行に来る人がこんな被害にあってしまったら、日本に対する思い出は最悪なものになってしまいます。もしホテルやエージェンシーはこのような部屋はもうないと保証してくれるなら、もう一度Facebookにポストをします。そうすると、この出来事にフォローしている人もきっと理解すると思います。

最後に、ホテルにこのような風評被害を起こしてしまってすみません。でも、みんながサービスを改善してくれれば、観光客にとってもすごくいいことだと思っています。

実際に放送されたカット

実際に放送された唯一のカット

旅行客と報道番組の異なる論点

airbnb(エアービーアンドビー)などの民泊サービスが定着する中で、価格戦争のために会議室までも宿にする現在の日本。とはいえ、本騒動の原因はやはりホテル予約サイト側の写真掲載ミス。単に「ホテルにこのような風評被害を起こしてしまってすみません。」だけを取り上げ、マナーや民度を論ずるのは、インタビューを受けた本人もきっと納得がいかないはず。

また、番組のコメンテーターは「すぐにネットに上げるのは酷い」「新しい部屋に変えられたのに、彼女本人は投稿の訂正をしていない」と解釈しているが、そもそもソーシャルメディアとはリアルタイム性も魅力の現代人が使うツールであり、わざわざ訂正までせずとも、本人は最初の投稿から2時間近く交渉し、和室の部屋に変えてもらえた事実も実際は全てタイムラインに残しています。

番組では一方的に「タイ人客のせいでホテルがえらい風評被害を受けた」と報じているが、本人が公開したインタビュー時のメッセージを見る限り、被害者を悪者扱いしているのは話題性を高めるために番組側がホテル側を庇うように仕掛けたシナリオだということ。日本語だから見ないだろうと放送しても、動画サイトにアップロードされれば、タイ人でも内容を確認することが簡単に出来ます。

今後の日タイ親交のためにも、日本のメディアには誠実且つ確実性ある取材をお願いしたい。

No more articles