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クオリティ高いサービスを目指すホテルのフロント係、小林悠さん

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お客様のコモンセンスに合わせたサービスを!

バンコクのトンロー地区にあるレジデンス型高級ホテル「パンパシフィック・サービス・スイート」に勤めるフロント係の小林悠さんは、多種多様な顧客の求めに応じたきめ細かいサービスを目指している。

欧米、アジア、中東…。国も出身も違う顧客一人一人の「コモンセンス」にいかに合わすことができるかが、ホテルマンとしての技量と信じている。顧客が何を求めているのか、求めていないのか。サービスとして足りているか、行き過ぎていないか。思案は尽きない。

「よく日本式サービスなどと一括りで言われますが、海外のホテルをいくつか経験してみて、日本のホテルのサービスこそが、最もクオリティが高いものと私は思っています。私だけではない、日本人ホテルマンの誇りではないでしょうか」

高校時代からの夢を成就

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高校3年生のとき、進路に迷った。友達の多くは何のためらいもないように大学進学を目指していたが、「それでいいのだろうか」という思いが尽きなかった。「自分の好きなことは何だろうか」。自問した結果が、サービス業としてのホテルマンだった。

高校の3年間、自宅近くの焼肉店で積んだアルバイトの経験が、サービス業の道を選ばせた。自分一人の努力だけで客が笑顔になれる。「ありがとう」と言ってくれた顧客が再び店を訪れてくれたとき、言葉にならない幸せを感じだ。「私の生きる場所はここだ-」

そう考え、日本では珍しいホテルマン養成専門の学校に進んだ。途中、一年間、アメリカのカリフォルニア州立大学に語学留学。ホテルマンに欠かすことのできない英語を取得した。

ホテルマンの「聖地」ドバイへ

専門学校卒業後は、世界のリゾート地、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある高級ホテルに就職した。「せっかく覚えた英語を使いたいという気持ちもありましたが、多くのホテルマンの夢だったドバイのホテルで働いてみたいという気持ちのほうが大きかったですね

当時、ドバイは4ツ星、5ツ星のホテルの建設ラッシュが続いていた。世界各地からビジネスマンを乗せた航空機が就航していた。

だが、ここで初めて「壁」に突き当たる。自分にとって「最高のサービス」と信じて疑わなかったサービスのありようが、出身国の異なる同僚たちにはなかなか理解されない。「そんな小さいこと」と言われることこそが、とても大切なことだと思っていたのに…。

さんざん悩んだが、「受け入れるしかない」と思うしかなかった。自分一人でホテルが変わるはずもなかった。だが、それは裏を返せば、「皆では無理でも、一人のホテルマンとしては最高のサービスを目指そう。常にクオリティ高いサービスを目指そう」という決意の現れでもあった。

「忙しいのが、好きなんです!」

ドバイには結局、3年半いた。「溜まった疲れを癒すため」日本に一時帰国。今年5月からバンコクで働いている。もともと寒さに弱かったからか、常夏の国での生活はすぐに馴染んだ。

今の最大の「悩み」は、タイ人従業員との意思疎通。バックオフィスでは意外と通じないタイの英語事情。バンコクに来てから知ったことだが、「ならば自分でタイ語を覚えよう」と決意を新たにしている。

残業を終え、仕事から開放されたときの充実感がたまらなく好きだ。身体は疲れて切っていても、心地よい満足感に、「明日も働こう!」という気持ちになる。「私って、忙しいのが好きなんです!」

タイで生活する日本人は最新の2012年統計で約5万人。企業などの駐在員や永住者、その家族などが多くを占め、滞在する男性の多くが仕事を持って暮らしている。女性についてはビザの関係から就労が難しいと一般的に理解されているが、実は、働く女性は決して少なくない。新企画「タイで働く女性たち」では、タイで仕事に就き、活躍する女性たちを追う。

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