深呼吸空間の創造する「ニオイ」に特化した専門企業
–小さいころからご自身で起業をしようと思っていたのですか?また、学生時代の夢を教えてください。
自分の父が建材関係の商社をやっていたので、小さいころから会社を継ぎなさいということはずっと言われていました。一番良いときで年商65億円、従業員は120人以上かかえていたので、この会社をもっと大きくすることが学生時代の夢・目標でした。
父の姿を見ているので、サラリーマンというよりも自分自身が経営者になるということは意識していましたね。
–ご自身で起業するに至った経緯を教えてください。
元々30歳で仕事を退職して父の会社を手伝おうと決めていたのですが、私が26歳の時バブル経済の崩壊とともに父の会社の景気も悪くなり、会社をたたむことになってしまったんです。将来的に父の会社で働く前提で色々と仕事をしていたので、この出来事は改めて今後の自分の人生について考える機会となりましたね。
その当時、祖父が老健施設で寝たきりだったのでお見舞いのため病室に何度も足を運んでいました。病室の何とも言えないニオイに困り、そのときに初めてニオイとは何か、ニオイを消す方法、法律や条令、消臭剤や消臭機・脱臭装置などを調べ学びました。
ニオイというのは意外と忘れないもので、ニオイによって思い出したくない記憶をフラッシュバックさせてしまう人もいると分かり、そんなニオイ問題に困っている人のための一助になろうと現在の消臭脱臭専門会社を起業したのが、2003年10月、27歳のときでした。
–事業内容を教えてください。
弊社は産業用・業務用に特化した消臭脱臭専門会社です。国家資格である臭気判定士による脱臭保証でお客様に満足していただく臭気対策を実施しています。
コンサルティングによりニオイの可視化や、フィールドテストによる失敗しない実機設計等を行って、必ずお客様にご安心いただく事を大切にしています。
–タイに進出した理由は何ですか?
日本でのお客様がタイにも支社や現地法人を出しており、タイにある工場もニオイで困っているという相談を受けたことがきっかけです。タイの工業団地では、工場ごとにニオイの規制は現在ないので、基本的には自主規制となっています。
しかし、ニオイによって困っている人たちがいるので、今後は日本だけでなくタイ以外の東南アジア諸国も視野に入れつつ、まずはタイで基盤をつくっていきます。
–経営者として大切にしていることは何ですか?
個の力を最大限発揮できる組織をつくることです。ですので、会社として決まっている特別なルールなどはなく、社員が働きやすいように自由に社員の自己決定で動いてもらっています。
–今後のビジョンを教えてください。
日本でのマーケットとしては今後、そこまで大きくなりません。しかし、タイはASEANの中心国であることから、今後もどんどん環境問題が増えてくるだろうと予想されます。
そこの改善のお手伝いをし、タイという国にも還元していきたいなと思っています。
また、タイで脱臭装置などの開発・設計・製造までをワンストップで提供できるようにします。
名前: 松林 宏治
会社名: KBAT(Thailand)Co.,Ltd.
役職: CEO
言語: 日本語、英語
業務: コンサル・専門サービス
1976年生まれ。愛知県出身。1999年3月に大学卒業後、日本板硝子の子会社に入社し建築現場におけるガラス工事の施工管理などを担当する。その後、YKK APに転職し営業職として従事。2003年に27歳で株式会社共生エアテクノ(Kyosei Air Techno Co.,Ltd. )を設立。「深呼吸空間の創造」をミッションに掲げ、「ニオイ」に特化した専門企業として毎月100件以上のお問い合わせに対応している。一方で自ら「におい刑事(デカ)/商標登録済み」というブランディングを確立し、テレビや雑誌、講演などでも幅広く活動する事で、ミッション遂行や臭気判定士の社会的地位向上にも貢献している。