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元泰国三菱商事社長、元盤谷日本人商工会議所会頭 有川武俊氏単独インタビュー

タイ在住通算14年。タイ社会とは、どんな社会だと思われますか?

誤解を恐れずに言えば、「隠れた階層社会」という表現が最も適切でないかと思っています。そこに触れるとはっきりと分かるものも、触れなければスーッと流れていってしまう。そんな社会ではないでしょうか。

個人と個人の関係がとても深い社会と言えると思います。社長時代、「有川さんは色々な情報を持っていますね」と言われましたが、それは情報ソース、ネットワークを持っていたからだと思います。
今はそんなことはないと思いますが、仕事上トラブルのあるファミリー同士でも彼らの子女たちが唐突に結婚したりする。「何で?」と思うことも少なくありませんでした。やはり自分たちの仲間を大事にすると言うことではないでしょうか。

もちろん、このような状況は変わって来ているとは思います。ただ、個人の関係を重視すると言うことは確かに今でもある。こんなこともありました。ある事実の真偽を確かめたくて、タイ友人の紹介で役所のトップを訪ねた時のことです。「貴方は彼の友達ですか。ならば、私の友達ですね。お尋ねになりたいことは、答えられる範囲でお答えしましょう」と言われ、ギリギリのところで教えてくれました。

これは、もう仲間に対する信頼です。反面、裏切ることはできません。社長時代はタイの人たちから色々な人を紹介してもらう機会に恵まれました。これは私に取ってかけがいのない財産です。その意味ではまだまだタイの人たちに恩を返しきっていません。

タイ市場をどうご覧になりますか?

1970年代後半、タイは農業国から工業国に変わりました。契機となったのは、製造業の裾野産業を持ってきたことです。それがタイにおける産業のベースになっています。最近は、インドネシアやベトナムが取りざたされますが、タイの優位性は変わらないでしょう。インドネシアの金型産業は未成熟だし、ベトナムにも裾野産業はない。その意味で、日本企業としてはタイに進出しやすいと思います。

2015年にアセアン経済連携協定が発効する事になっていますが、日本の企業にとって裾野産業の整備されたタイに進出して、ここをゲートウェイにして東南アジア各地に進出するというのが、一番やりやすいのではないでしょうか。大震災と洪水で、タイがサプライチェーンの中に完全に入り込んでいることが分かったのですから。

ただ、タイでも賃金や労働力の問題がだんだんと表面化しています。タイ人の生活様式も変わってきています。今ではタイ人は3Kを嫌います。単純な肉体労働ですね。だからタイ政府も、ミャンマー、カンボジア、ラオスから出稼ぎを容認している。でも、そういう労働者はお金もらって国に帰り、お金があるうちは帰って来ない。

最低賃金の引き上げ、一律300バーツも中小企業が耐えられるかどうか心配です。でも、ここで体力があるからと日系企業が賃金競争をしてしまうと、おかしなことになりかねません。
以前は日系企業間で引き抜きをすることを止めましょうと申し合わせたこともありました。ところが最近は、首をかしげたく事例も少なくありません。もう少し、企業間で長期的な視野が必要ではと思います。

それでもタイには裾野産業があり、タイ人は日本人好きで、インフラが整っている。こうしたことを考えればタイ市場は魅力的な市場と言えると思います。

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