タイ国内問わず、過去にベトナムやマレーシアでも活動展開している日本人DJ、DJ TO-RU(ディージェー・トール)。2009年の来タイからこれまで様々なイベントで経験したアジア活動での3年についてインタビューした。
タイ・バンコクを活動拠点に選んだ理由は?
音楽関係の友人と、2004年に一度旅行でタイを訪れたことがあって、その4年後の2008年に「一年間で100万貯めて海外に出よう!」という計画をこっそり建てていました。
実はDMC(毎年開催されるDJの世界大会)の世界大会には東南アジアの参加選手がよく出ていて、彼らの持つプレイスタイルには技術だけではなく、それを補う”大きなモチベーション”としてのDJプレイの見せ方ということに魅了されて、自分も閉鎖的な環境でやるのではなく、もっと外へでたほうがいいのかもしれないとずっと考えていたんです。
これまで3年間。タイでの音楽活動の率直な感想は?
正直、もっと攻めてもいいなと思っていました。来た当初は日本との環境の違いに緊張していたことは確かで、日本人も含めてなかなか自分を出せなかった感じはありました。
でも、今では日本に住んでいる友達と同じ様に、こちらの友達とも接すれるようになり、改めて、普段から素の自分を出して様々な環境でもっとDJをプレイするチャンスを増やしていければと思っています。3年間で一番調子がいいのが今だったりしているので。
当時、どのような可能性を意識して日本を出ましたか?
それこそ、「人生は一度きり!」のという感じで、”よし行こう!”という感じで何も気にせず出てきていました。先輩方の歩んだ道と同様に、時間と共に後輩をつけて、イベントやパーティーの機会を増やしていくような日本の環境も一つですが、基本的に、他の人と違う事をしないと楽しめない性格があるもので・・・。]
タイで活動展開を持続するためのエネルギーはどこから?
良くも、悪くも、お客さんのレスポンスが非常に分かりやすく、毎回お客さんの反応をリアルに感じられる環境があるということが、持続するためのエネルギーになっている一つの理由だと思ってます。
例えば、前のイベントで反応がいまいちだったトラックが、今回は異常にノリがいいとか、逆に前回はガンガン踊っていたトラックが、全く無反応だったりとか。国際都市であるがゆえに、お客さんの反応も本当に複雑で多国籍な感じがしています。そいいった環境があることが、自分にとっての一番のエネルギー源になってます。
コミュニケーションに関してはどう思っていますか?
英語やタイ語問わず、やっぱり語学の必要性は確実にあると思います。音楽という職種は昔聞いていた好きなトラックを通して相手と話をすることで、それまで全く接点が見えなかった人とも気持ちを近づけることが出来るので、そういった機会が多いのも海外ならではと思っています。
わからない単語が出てきたらどうしようだとか、来タイ当初は緊張していましたが、お客さんに慣れない酒を飲まさせれて酔っ払ってしまえば、僕の場合は大丈夫です(笑)
もし、タイ以外なら何処の国を選んでいた?
多分、日本だと思います。そして、今頃潰れているんじゃないですかね(笑)僕が日本を出ることは実際にしっかり稼げなくて周りが次々とやめていったりもしてた時期でもあったので、自分もその中にいたら流れで辞めていたかもしれません。
独自の音楽スタイルを伝えるために常に意識していることは?
それは未だに模索しているということもありますが、10分でも僕の音楽を聞いてくれたら「DJ TO-RUってこういうアーティストなんだな」と思われるように常に意識してプレイしています。周りの外国人のアーティストはダイナミックに攻めていく感じが印象的ですが、僕はやっぱり日本人なので、見せ方を工夫して特色を巧妙に表現していければと思っています。
そもそもDJ TO-RUが音楽を仕事にしようと思ったきっかけは?
まず、ハードコア系のバンドで活動していた兄貴の存在が大きかったのですが、中学校時代にスケボーにハマっていたことで、Hiphopや音楽に接する事が多かったというのもありました。当時の友達の兄が地元でDJをしていて、興味本位で触ってみたのですがそれがかなり楽しくて興味をもったのがきっかけです。
高校に入ってパチンコでターンテーブルを買おう試みたけど、一年間経っても”勝てず”、”貯まらず”で結局はバイトをして初めてターンテーブルを買いました。自分の機材で最初にDJとしてプレイしたイベントは、パンクミュージックだったんですが、自分のかけた音楽で目の前にいたダンサーが踊った事で更にもっと音楽に対して興味をもつようになりました。それが、僕の音楽の原点です。
DJで海外活動する上での最大のメリットとは?
全く違った環境で活動することによって、自然な感覚でコミュニケーション力を得られること、特にバンコクはアジア諸国へ移動しやすいという事がメリット。
デメリットというとあまり思いつきませんが、やっぱり日本人(アジア人)として、欧米人との仕事のなかでときおり人種差別的な扱いを受けることがあるということです。でも、逆にこういった環境で慣れてしまえば、他の国でも対応していけるのではと思ってます。タイはもともと全世界の人が集まる国なので、あまり考えてても仕方がない。
これまでのイベントで一番印象に残ったイベントは?
海外で活動することで一つ一つのイベントが印象なので一番というと難しいで、、、先日の友人の誕生日パーティーでのDJは楽しかった。(笑)やっぱり自分のスタイルがわかっていてくれている人からのオファーが一番楽しんでプレイ出来ています。
今後の活動予定と、読者へのメッセージ
まずは、CD(アルバム)をリリースすることと、そして、当面はアジア中心に近隣諸国での活動を広げていくことです。今以上に最高のプレイを見せられるように、もっともっと活動範囲を広げていこうと思います。音楽の世界に国境と年齢制限なし!是非一度、僕のイベントへ足を運んで見てください。
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