DCRグループは、愛知県名古屋市に本社を構えるIT企業。中国、タイに支社を持ち、ミャンマーには2008年に進出した。早くからミャンマー進出に切り出した同社。ミャンマーの魅力とは。Thai DCR CO., LTD代表取締役・示村賢一氏に話を聞いた。
いつごろからミャンマーに注目を?
ミャンマーに注目し始めたのは2007年頃です。私たちはIT、システムサポートを主な事業としていますが、当時、日本で受注した案件を中国の事業所で制作するというシステムを採用していました。
しかし、中国の人件費が年々上がり、中国事業所の従業員1人あたりの平均月収も20万円を超えるようになってきたので、人件費を抑えるため“チャイナプラス1”というよりは“チャイナネクスト1”となる新天地を探していました。
もともとイギリス領で英語が話せて対日感情も悪くなく、真面目で勤勉的なミャンマー人の性格が日本人との親和性も高いのではないかということで、ミャンマーに着目するようになりました。
実際に事業を始めていかがでしたか?
実際に事業を始めたのは、2008年7月です。Myanmar DCR Co., Ltd.という100%日系資本の現地法人を設立しました。グローバル・デリバリー、ラボラトリー方式によるシステム開発などを行っています。グローバル・デリバリーとは、日本で受注したものをミャンマーをはじめとする海外で制作し、完成したものは日本で納品するという流通システムです。
そして、システム開発は5人以上で制作チームを組んで、ひとつの案件に対応するラボラトリー方式を採用しており、技術的に高度なレベルの案件にも対応可能です。
また、私たちの案件は日本の企業からの受注となりますので、メールのやり取りからシステム開発まで全て日本語が基本になります。社内の公用語も日本語です。ミャンマー人スタッフには週1回、日本語学校に通ってもらい、朝礼では持ち回りで1人ずつ将来の夢やビジョンなどについて、日本語でプレゼンテーションを行ってもらいます。みんな1年ほどで社内での会話に支障がなくなるほどのレベルまで達していますよ。
日本語とミャンマー語はもともと文法が似ているので、覚えやすいのかもしれません。また、日本語検定の等級によって能力給をプラスしています。その他、日本語のできるミャンマー人技術者を日本の企業に派遣するという事業も行っており、派遣先企業より好評を得ています。