マリアージュという言葉をご存知だろうか。フランス語で「結婚」を表すそれは、二人の「永遠」を意味する出会いの言葉。転じて、飲食の世界では「相性」もしくは「組合せ」とも訳され、「最高のマリアージュ」などと形容される。バンコク・スクンビット19にこのほどオープンした日本食料理店「Zipangu」は、まさに料理と酒のマリアージュを堪能できる本格的レストランとして産声を上げた。
「帰ってきたサムライソムリエ」
Zipanguのメニューは実に多彩だ。色とりどりの季節感を醸し出す料理の数々が、ぴったりと息の合った合ったワインや日本酒などとともに見事に1冊に凝縮されている。その冒頭ページの書き出しには「帰ってきたサムライソムリエ」の文言。
そう、BTSスカイトレイン(高架鉄道)プルンチット駅近くにあるワインレストラン「Bacchus」の元オーナー、原宏治氏が今回の仕掛け人。リーマンショックに端を発した金融危機で一時的にタイを離れていた氏が、満を持してバンコクに戻り、1年後にオープンさせたのがZipanguだった。
すべては、料理と酒の組合せ、マリアージュのために
キーコンセプトは「味の探求」。とはいえ、高級食材などに偏った店づくりを模索しているわけでは決してない。食材の持つ自然の「旨味」を引き出すこと。そのために、あえてリーズナブルな食材をも活用する必要を氏は感じている。すべては、料理と酒の組合せ、マリアージュのために。
主な料理ごとに、マッチングする酒類を記した詳細な「マリアージュコメント」を鮮やかな写真とともにメニューに用意。初めての客、日本食に慣れていない外国人にも優しい心配りを忘れない。
食欲をそそる見事な演出
そのうちの一つ「広島産瞬間燻製の牡蠣牡蠣と貝柱、オリーブオイル漬け」では、「軽くスモークした広島産の大粒牡蠣をオリーブオイル漬けにして手間と時間をかけた一品は牡蠣と帆立のエキスがいっぱいです。イタリアワインの帝王ガヤが造る白ワイン、ロッシ・バスを合わせてみてください」と相性についてコメント。読みながらにして食欲をそそる演出は実に見事というよりほかはない。
Zipanguはソイ19のホテル「SACHA’S HOTEL UNO」1階に併設されており、営業は午前6時から深夜24時まで。朝食はバイキング形式。ランチタイムには各種定食を用意する。午後のひと時をカフェとしても使いたい。
17時からはディナータイム。19時まではパッピーアワーで、スパークリングがボトル700B、ワインがボトル600B、ローカルビールがbuy1 get1 free。店内に流れるBGMは原氏が2000曲の中から監修した洒落たラウンジミュージックをホテルロビーと共有。Wifiフリー。
連絡先は次のとおり。
Zipangu
02-651-2180 (電話はSACHA’S HOTEL UNOと共有)
Koji Hara / Bacchus wine consultancy Co., Ltd.
bacchusonline@gmail.com