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GSP失効で迫る輸出危機 – 急ピッチで進められるタイ・EU間FTA交渉

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タイのGSP実質利用率は

タイ商務省から入手した欧州向けGSP利用輸出額によると、2012年1~9月のGSP利用輸出額は63億2346万ドル。同期間の対EU輸出額は163億5837万ドルで、GSP利用率(名目)は38・7%となっています。しかし、WTOの「World Tariff Profiles 2012」によると、EUは2010年の輸入で農業産品の42・9%、非農業産品の58・8%でおのおの最恵国待遇(MFN)税率が0%であり、あえてGSPを利用する必要のない品目も多いのです。それらMFN関税撤廃品目やGSP適用対象外の品目を除いたタイのEU向け輸出額は102億8010万ドルでした。この数値を基に算出した「GSP利用率(実質)」は61・5%に達します。そのため、2015年にEUのGSP対象国からタイが外れた場合、その影響は広範囲に及ぶことがわかります。タイ商務省によると、EU向け輸出でGSPを適用している上位品目は、1トンピックアップトラック車に代表される貨物自動車で、これに調理済みシュリンプおよびプローン、ゴム手袋、窓型・壁型エアコン、眼鏡用レンズ、タイヤ、冷凍シュリンプ、パイナップル缶詰が続きます。

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さらにEUは、タイを早期にFTA交渉に踏み出させるよう暗に迫っています。2012年12月18日付官報で2014~16年末の間、先行的にGSP適用対象外とする品目として「品目別卒業規定実施規則」を発表しました。

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「品目別卒業規定実施規則」の対象品目は

タイ地場企業が生産・輸出のある程度を占めるとみられる「調理済みの肉・魚」、「調理済み食料品、飲料、蒸留酒、酢」、「真珠・貴金属」が指定されています。「調理済みの肉・魚」部分に調理済みシュリンプおよびプローンなどが含まれます。これらは2015年を待たず、2014年1月からGSP適用対象から外れることになります。GSP適用対象外になった場合、これまでGSPを利用して輸出をしてきたタイ産品は、関税が高くなる分だけ価格競争力が不利になるということです。GSPを利用して輸出している最大品目の貨物自動車の場合、税率が現行の6・5%から10%へと3・5ポイント上昇します。製造品は2~5%程度だが、農産品や加工食品の場合、関税上昇幅はさらに大きくなります。

早期発行は可能なのか

タイとEUとのFTAを、GSP対象国から外れる2015年1月までに発効させることは困難な状況だと思います。EUはタイとのFTAを2011年7月に暫定適用が開始された「韓国とのFTAをモデルにする」といわれており、その場合、交渉範囲には物品貿易に加え、非関税障壁、貿易救済/補助金のほか、サービス貿易、投資、知的財産、貿易の技術障壁(TBT)、衛生および植物衛生措置(SPS)、政府調達、税関手続きの円滑化、競争法などにまで広がる可能性が高く、妥結までには相当の時間を要することが容易に想像できます。

ASEAN加盟国としてEUとのFTA交渉の先陣を切ったシンガポールは、2010年3月に交渉を開始し、2年9ヵ月の交渉を経て2012年12月16日に妥結、2013年春の仮調印を予定していましたが、未だ暫定適用開始に至っていません。仮調印後も、EUの公用語全23言語に翻訳し、リーガルチェックを経て、EU閣僚理事会で採択し「署名」に至ります。その上で、欧州議会の同意を得て実質的な発効である「暫定適用開始」となるのです。

この時点でEU加盟国が権限を有している特定事項以外は発効し、FTAのほぼ全ての規定の適用が開始される。「正式発効」にはさらに全加盟国の批准を待たねばなりません。韓国は現在もまだ「暫定適用開始」の段階。仮調印後からこの段階までで2年弱を要していることから考えると、シンガポールですら暫定適用開始までの道のりは長いといえるでしょう。

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