「表現の自由が制限される」「取締内容が漠然」など、タイ国内から批判の声が高まっていたタイのコンピューター犯罪法の改正案は、立法議会(NLA)で12月16日、賛成多数で第3(最終)読会を通過した。
5人の道徳的価値感が全ての判断基準
国内IT業者の中でも話題となっていたタイのコンピューター犯罪改正法案。中でも注目されていたのは「5人からなる委員会を設置し、法律違反がなくとも公序良俗に反する場合はコンピューター情報を検査する」という一文。
人権活動家、法律家などからは「あまりにも不明確で人々の表現の自由を規制する」という批判意見が集まり、ネット利用者からなる市民団体は約33万人分の署名を提出して政府に再検討するよう求めていたが、プラユット首相は「害悪のある情報はブロックしなければならない」と、同法案の改正は適切と強調。委員会の詳細情報も開示されないまま可決の方向に進んだ。
インターネット統制とタイ政府
タイ政府は先日、「ネット監視を強化するためにLINEとの業務提携した」と発表。しかし、その翌日にLINEは「チャットメッセージは全て暗号化されており、個人を検閲するような機能は存在しない」と、政府発表とは異なる内容を公開したことで話題となっていた。
昨今のSNSユーザーの急増により、タイ政府は言論統制に苦戦を強いられているように見える。
source:Nation