人的資本の投資を推進 長期的な経済成長に向けて
タイ銀行(BoT)は、長期的な経済成長の維持を目的として、労働生産性を改善するために「人的資本」に投資するよう国に促しました。GDP成長を支える重要な要素である労働生産性は、年間約4%の成長率を示しています。労働生産性は、「労働の成果」を「労働力(労働者数や労働時間)」で割って導き出されます。つまり、言い換えると「労働力1つあたりが生み出す成果」の指標です。
BoTのSethaput Suthiwartnarueput総裁は、今後10〜20年の間に国全体の労働力が毎年1%減少すると予想し、タイの経済成長に影響を与える可能性があることを指摘しました。「今後、労働生産性向上に向けた投資がない場合、タイの経済成長の可能性は低下し続け、労働力の規模もタイの高齢化に合わせて減少し続けるだろう。変化していく経済情勢に備えて、人材に投資し、労働生産性の改善と景気調整をしていく必要がある」と語っています。
変化してく世界的経済情勢 イノベーションの必要性を指摘
長期的な経済成長を促すためには、世界的に広がる「デジタル化」と「サステナビリティ」の下、新たな施策を構じる必要があります。
タイ経済の主要な要素である「輸出」において、タイは農業や食品に力を入れてきました。しかし、製造業の輸出の約60%は「古い産業」によるものです。タイにはまだ環境に配慮した輸出品がなく、グリーン製品に焦点を当てた世界的な需要に対応できていません。精密農業や生物農薬、デジタルマーケティングなど、先進的な技術を発展させていく必要性があるでしょう。
またSethaput氏は、タイのもう一つの主要部門である「観光」について、「多くの外国人観光客の誘致に焦点を合わせるのではなく、付加価値の高い観光産業の開発にもっと注意を払うべき」と指摘しています。
source: Bangkok Post