タイへの進出に苦悩する博多もつ鍋を追った!
現在ゲートウェイエカマイで開催されている、日本のB級グルメの祭典「JAPAN FOODCULTURE FESTIVAL 2013」が残すところあと3日に迫っている。1月26日から始まった第2弾では、北は北海道から、南は福岡まで9店舗が出展している。その中で、福岡、博多中洲から「博多もつ鍋」を持ってやってきた「博多中洲 遊食亭」。
スープの味は主にしょうゆベースで、程よい甘みと深いコクがあり、もつ独特の臭いは一切ない。もつ鍋は、福岡では500弱のもつ鍋専門店がしのぎを削る福岡有数のご当地グルメ。
社長の木戸さんは幼少時、父親の転勤でバンコクに住んだことがあり、そのことが今回海外での初出展をタイにした決め手。タイ人にも馴染み食となった餃子やモダン焼きが人気を集める中、牛自体を食べない人が多いタイで、“牛もつ鍋”は思った以上に苦戦を強いられている。
買いに来る人のほとんどが日本人。タイ人は物珍しそうに覗くものの、見たことのない料理になかなか手が伸びない。そこで苦肉の策として、急遽取り入れたメニューが“博多水炊き”。鶏を煮込んだコラーゲンたっぷりのスープに鶏肉や春雨、鍋野菜を入れてポン酢で食べる。福岡では料亭や割烹で主に食べられている名物接待食でもある。
しかし、タレが“ポン酢”という点と、鶏肉=高くない食材、という点でこちらも苦戦。からし明太をつかったおにぎりが、かろうじて売れているという。ただ、バンコク市内にある居酒屋では、もつ鍋は人気メニュー。今回の2週間の出展での結果だけで判断することなく、今後タイへの進出を前向きに検討したい、と木戸さんの士気は高い。