日本のニュースでも報道されているとおり、国際民間航空機関(ICAO)は、タイの航空局に対して「重大な安全上の懸念(通称:SSC)」を指摘した。同時に日本の国土交通省も各航空会社にスケジュールの変更、チャーター便の乗り入れの禁止などを通告しました。
国連の専門機関がタイ航空局に指摘した内容
タイの航空局がICAOから指摘を受けた問題点は”安全審査体制”。これまでタイの各航空会社は新路線を当局に申請した際、知識不十分な担当者が審査をしていたため、ICAOが定める国際安全監査基準に達していないと判断。同機関では今後も知識不足の担当者が審査することで、重大な問題発生につながることを懸念している。
混乱する各航空会社の動き
【ノックスクート】
5月に就航予定だったバンコク〜ソウルの航空券は販売中止。日本へのチャーター便については一部の便で運航を中止するが、出資元であるシンガポールのスクートの機体を代用して運航する。
【タイ・エアアジアX】
5月1日から就航予定の札幌(千歳)〜バンコク(ドンムアン)線は予定通りに就航するとしているが、7月1日以降の運航については国土交通省とタイ民間航空省が再度協議を行う。
【タイ国際航空】
日本路線への定期便は通常通り運航するが、4月11〜15日に予定していたバンコク〜小松空港・広島空港へのチャーター便については、一部に影響がでることを発表している。
猶予期間中に改善されるのか?
ICAOは今回、タイ当局に対して”重大な安全上の懸念”を指摘したが、公式発表までには90日前後の猶予期間を設けた。これによって各社が期間内に十分な改善策をとれば、SSCは解除となり、通常通りの運航が可能となる。
無論、3社とも猶予期間中に確実に改善されるかは不明だが、今現在もタイ人の中で人気となっている日本旅行。今後の動向によっては訪日旅客数の伸びに大きな影響でることも予想される・・・