吉村洋文大阪市長が今週初めにツイートした内容が、タイ・日本のSNS上でちょっとした騒ぎとなった。
現在カザフスタンの首都アスタナで開催されている、「Astana Expo 2017(通称“アスタナ万博”)」。ここに登場した、トウモロコシの形をしたタイのマスコットキャラクター「パラン(Pa-Lang)ちゃん」が、日本のキャラクター「ふなっしー」に似ているとする主旨のツイートを吉村大阪市長が行ったのだが、これに対して反論する意見が日本人・タイ人双方から相次いだ。また、日本人からは、このようにツイートされてしまったタイ側の感情を心配する声も寄せられた。
万博。タイのゆるキャラ。完全にフナッシーやん。 pic.twitter.com/yWFMmpKSlm
— 吉村洋文(大阪市長) (@hiroyoshimura) 2017年6月10日
タイのトウモロコシのキャラクター「パランちゃん」
今回の騒動を受けて、タイのキャラクター「パランちゃん」のデザイナー側からも、改めて「ふなっしーからの模写ではない」旨の説明があった。
このタイのキャラクター「パランちゃん」は、トウモロコシの形を基に、現在開催中の「Astana Expo 2017」のためにデザインされたキャラクターである。
アスタナ万博と「パランちゃん」が生まれるまで
今回の万博のテーマは「未来のエネルギー」。
豊富な農業資源を有するタイは、バイオマスエネルギーの開発における先進国でもある。今回の万博では、タイのバイオマスエネルギー分野での潜在能力を外国の方に示すことが目的とされ、それに沿うマスコットキャラクターとなるように、タイのエネルギー作物をマスコットに展開させることにした。
エネルギー作物の選定においては、他にも、草やキャッサバ、サトウキビなども候補として挙げられ、10パターンを超えるキャラクターがデザインされたが、候補のエネルギー作物の内、カザフスタン人がよく知っている作物はトウモロコシであるということが分かり、カザフスタンの人に覚えてもらいやすいよう、また、スタッフ全員もよく知っていることから、今回のアスタナ万博のキャラクターとして、トウモロコシを採用することになった。
キャラクター名の「パラン(Pa-Lang)」は、タイ語で「力、パワー」を意味するが、これも今回の万博のテーマに沿うようなネーミングとした。
前述の通り、ふなっしーからの模写ではないが、植物である以上、どうしても色合いが黄色や緑で似てしまうこともあり、それが今回の件に繋がったのかもしれない、とデザイナーの方のコメント。しかしながら、トウモロコシの形を基にパランちゃんをデザインした者として、今回の騒動には驚いたそうだ。
「コピーだ」「真似だ」という直接的なツイートではなかったにしても、それにほぼ近い内容と受け止められても仕方のない、今回の発言。
一つ一つの発言に慎重さが求められ、何か意見を述べる際は熟慮を重ねている(はずだ)という印象を、日本人(特に日本の政治家)に対して持っていたタイ人にとって、今回の件は、もし“うっかり”言ってしまったのだとしたら信じられない(信じたくない)、と感じたタイ人の方もいたようです。
Source: posttoday, thairath, I Love Japan(facebook), Astana Expo2017(Thailand Pavilion)