連載「タイの病気シリーズ」でも紹介したが、今やタイも立派な「メタボ大国」。成人男性の3人に1人は「メタボ予備軍」と指摘する医療関係者もいて、国民的な関心も決して低くない。そういった状況下で制作されたタイ保健振興財団(ThaiHealth)のCMがこれ。啓蒙啓発目的とは言え、タイ語が分からなくても楽しめる構成になっている。是非、ご賞味あれ!(以下は抄訳)
メタボ予備軍の男が屋台で買った串豚肉を食べながら森を歩いている。そこへ鬼の男の子。男をつまみ上げ、一口にしようとしたところ、母鬼から注意を受ける。「ダメよ、まずお腹を測るのよ」「おへそ周りを測って、身長÷2を超えちゃダメなの!」
そこで実際に測ってみると、優に超えているではないか。「こんな病気だらけの男、食べちゃダメよ!肥満。病気だらけ」。男の子鬼は困った様子で「お母さん、どういうこと?」。「こういうこと、わかる?」。母鬼の放った光線が男の内臓を映し出すと、そこには脂肪がびっしり詰まった血管が。
食べたいけど、食べられない。それでも男の子鬼は諦めきれず、結局、男を飼うことに。「おいしそう」と男を眺める男の子鬼。母鬼は「ダメよ、食べるんだったら、お腹を引っ込ませてからよ!」と繰り返し注意。すると、男の子鬼は「どうするの?」
「いい?揚げ物や油物を減らして、野菜や果物を増やすのよ」。そこへ、鬼の母子の話を聞いていたメタボ男が割り込んできて、「やだよ。カイヂアオ(ไข่เจียว=揚げた卵焼き)、カームー(ขาหมู=豚足)がいい!それから、揚げ物も食べたい!」
駄々をこねる男に、男の子鬼が吹き矢で放ったのは、ゆで卵。「おいしい?」と聞く母鬼に、男も実際に食べてみてまんざらでもない様子。ここでナレーションが流れる。「選んで食べる。お腹が引っ込んで、病気も減る。選んで食べる。揚げ物、油物を減らして、野菜、果物を増やす。ゆで卵は25キロカロリー、カイヂアオは250キロカロリー…」
続いて母鬼が棍棒を取り出し、男に迫ったのは「お腹を引っ込めるための最終段階、腕振り運動」。「お母さん、どういうこと?」と三度尋ねる男の子鬼に、母鬼は「まず、足を肩幅に開くの。それから、腕をできるだけ後ろに伸ばす。腕を前に持ってきて休むのよ。さあ、始めなさい!」
渋々、腕振り運動に応じる男。こうして来る日も来る日も、野菜中心の食事と適度な運動を強要されたところ、比例して胴囲も徐々に減少。とうとう、ある日、檻からつまみ上げられそうになったところを、柵と柵の間をすり抜け、檻から逃げ出すことに成功したのだった。
フィナーレは、再びナレーション。「腕振りもお腹を引っ込める方法の一つ。でも、もし場所があるなら歩いたほうがいい。早歩き、または腕振りを合計30分、毎日しよう!」