タイという国は比較的赤道に近い熱帯地域であることから、乾季の時期には地方で干ばつによる水不足がときおり発生している。しかし、この”自然災害”をくい止める技術をタイでは10年以上前から運用している事をご存知だろうか・・・
人工雨製造技術”王様の雨”
今から16年前のこと、タイは乾季の中で大規模な水不足に陥った。飲料水も品不足となり、地方の農家も多大な被害を受けた・・・その際にタイ国王陛下が考案したのが“人工で雨を降らせるという技術”だった。
セスナ機で化学薬品を散布し空中で化学反応させ、人工の雨を製造するタイの技術は世界的にも注目されており、フランスなど欧州10カ国で特許を取得。
現在は農業共同組合省にあるロイアル降雨・農業航空局(通称:ROYAL RAIN)がプロジェクトを管理し、ワラユット・カンティアーナン氏が同機関の局長を任されている。
国宝陛下が考案した人工雨の生成法
世界も絶賛するタイの人工降雨技術。その生成方法は雲を作ることから始まる・・・
1.雲の元を作る
専用のセスナ機から上空に塩化ナトリウムの粉末を散布し、空中の僅かな水蒸気を吸収させて雲の元を生成させる。
2.雨雲を作る
その後、塩化カリウムを散布し水蒸気を吸収させ発生した熱エネルギーが上昇気流を作る。そこへヨウ化銀を散布し氷の結晶を作って雨を降らせるための雨雲を生成させる。
3.雨を作る
2で作られた雲を促進させるためドライアイスを雲の雲底に散布し、地上と雲の間の外気温を下げて雨を降らせる。
新たに2箇所の人工雨製造センターを増設
今季もタイの干ばつ災害予報が発令され、一部の地方で水不足なると言われている。
国王陛下は飲料水製造工場や農家への影響を考慮し、この度、ナコンサワン県とチェンマイ県の2箇所に人工雨製造センターを新設させることを指示。同時に降雨作戦の準備に取り掛かったとのこと。
自然災害に立ち向かうことは一般的に不可能とされているが、タイでの「干ばつ」という災害においては最先端の降雨技術によって人工的に解決できる特殊能力を持っている・・・これは都市伝説ではない実際のお話し。
タイの王様は本当に偉大な存在なのです。
source:thairath.co.th