タイと聞いて、売春を思い浮かべる方も多いのではないだろうか?合法・非合法の違いはあれ、基本的に世界中のあらゆるところで売春が行われている。そして、タイは世界的に見ても売春産業が潤っている国の1つである。
周辺の国々と比べても、タイは発展している国だと言えるだろう。しかし、やはり日本をはじめとする先進国と比較すると、物価が安くその分収入も低い。この物価の違いも、タイの売春産業を支えている大きな理由なのではないかと思う。
低価格な発展途上国の売春を利用する人々
タイの売春婦の中には、流暢な日本語を話す者もいる。また、日本人しか出入りのできない店もある。日本はそれだけタイの売春に貢献しているのだ。一昔前と比べると円が弱くなっているのは事実だが、それでも日本人はまだまだタイに多額のお金を落としていく。
日本からも、買春ツアーでタイを訪れる観光客が後を絶たない。また、売春を簡単に接待の道具に利用することもできる。
タイでは、売春という行為が当たり前のものとなっているのが現状だ。
需要がなければ、売春産業がここまで大きくなることはない。売春をする側が悪いと言われることもあるが、買春をする側がいなくなればこの産業もすたれていくはずだ。逆に、需要がなくならない限り売春が当たり前という習慣がなくなることはないだろう。
売春の隠れた被害者たち
日本円は、タイバーツに形を変えて売春婦からその家族や子供へと渡っていく。これが当たり前になってしまっているため、タイに出張に行く、タイに住むとなると、いかがわしい目で見られる男性も多いのではないだろうか?
タイは物価が安く日本のアイテムも比較的簡単に手に入るため、日本人には住みやすく過ごしやすい場所だろう。純粋にビジネスを行うためにタイに来る人間も多いが、タイの文化や人間が好きで何度も足を運ぶ人間もたくさんいる。中には、タイでこんなに盛んに売春が行われていることを知らない人間もいる。
しかし買春という側面を持つタイであるがために、そういった人々が誤解を受けやすいのは事実だ。他の目的でタイに来られる方の方が多いのに、売春という文化があるというだけで訪タイを冷たい目で見られるというのはいかがなものであろうか?
タイ人が自分の性を売る理由
現在の日本でも、自分の生活のために風俗店で働く女性が増えてきているという。学費のために働く者もいれば、お小遣いを稼ぐために働く者もいる。タイ人の売春婦のほとんどは、彼女らの家族を養うために売春に手を染める。
父親に捨てられた子供を養うために働く女性もいれば、病気の両親に仕送りをするために身を粉にして働く女性もいる。稼いだお金を自分のために使うのではない。自分が稼がなければ家族が生きていくことができないのだ。
最低賃金の引き上げがあったとはいえ、タイ人の収入はまだまだ少ない。バンコクと地方都市とでは、経済格差も大きい。手っ取り早く大金を稼ぐには、売春が楽な手段なのかもしれない。売春問題は、タイという国が一歩前進するために解決しなければならない大きな問題の1つと言えるだろう。
実話をもとに作成されたKaraoke Girlという映画がある。女優ではなく田舎からバンコクに出てきて夜の街で働く女性の姿を描いているため、考えさせられることが多い。現代のタイで実際に行われている売春の実態に迫る映画なので、興味がある方は是非見て頂きたい。
www.imdb.com/title/tt2428872/