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タイは “遠慮する”という言葉がある文化

タイ語の子供
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私がタイ語を勉強していて一番驚いたのはタイ語に「遠慮する」เกรงใจグレーンジャイという単語があることでした。それまで私は、「遠慮する」なんて言い方は、日本独特のモノだと思っていました。そして、実際英語などでは、近い表現はできるけどそれそのままの単語はありません。ちょっと、下のアンケートの答えを考えてみてください。

アンケートから「遠慮」を考える

両親にたのまれてあなたは近所の顔見知りのお宅に,お届け物をした。そのお宅から帰ろうとしたとき,そこの小母さんが,「お使いをしてくれるなんて,今どきめずらしいわ。これもらい物だけど,あなたに似合いそうだからあげるわ」と新品のセーターをあなたに手渡そうとする。

その時,あなたはどう答えますか。

選択肢

  • 1)とんでもない,結構です。親にしかられます。
  • 2)ありがとうございます。いただきます。好きな色です。
  • 3)ありがとうございます。お気遣い感謝します。
  • 4)もらっていいのですか。どうしよう。
  • 5)いりません。頂く理由がありません

これは、2005年に松山大学の久保先生がされた大学生男女にされたアンケートです。2005年当時の日本では、3が一番多く31.3%、1(遠慮する)は3の約半分の15.2%でした。久保先生は、このような結果になった理由を「ヨソサマの消失」だと分析されています。

つまり、昔の日本には3つの対人関係があったが、今の日本にはなくなりつつあって、「ミウチ」「ヨソモノ」しかない人間関係になりつつあるということです。

  • ミウチ=遠慮してはいけない関係(なんでもホンネで話す関係)
  • ヨソサマ=遠慮することが当たり前の関係(ホンネとタテマエを使い分ける関係)
  • ヨソモノ=全然知らない人 人間関係は存在しない(タテマエだけの関係)

英語に「遠慮する」がない理由は、これでわかっていただけたと思います。彼らの頭の中には、もともと「ヨソサマ」という考え自体がないのです。「I」「You」という2つの関係しかないのが、英語文化です。宗教的に言うと神と私の関係です。

タイの田舎でホッとする場面

タイの田舎で生活していると、なぜだかホッとする場面があります。それは、ミウチじゃないけどヨソモノでもないという扱いを受けるときです。それは微妙なしぐさや言葉遣いに現れるのですが、人間関係としては「近すぎず、遠すぎない」、わかりやすく言えば「近所のおっちゃん」として存在できる感じです。

「俺は俺らしく生きるから他人は口出しするな」というような考え方が、日本にも多くなってきていると思います。「日本人は個性がない」などともいわれて、「個性」を育てなきゃとか思ったりもします。でも、それは西洋の考え方で、日本人にとってはちょっと「ドライすぎる」のではないかと思います。日本人には、「ミウチ」「近所のおっちゃん・おばちゃん」がいる「ボンヤリした文化」の方があっている気がします。そして、タイの田舎にもそれがあります。

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