タイではタクシーの初乗り料金が10年以上前から35バーツ(約80円前後)のままで世界的に見てもインドに次ぐ第二位の格安運賃。手っ取り早い移動手段として現地邦人利用者も多いバンコクのタクシーですが、よく見るとほとんどがトヨタのタクシー。
ときおり日産や三菱のタクシーを目にすることがありますが、ホンダのタクシーがまったく見当たらないことに気づきます。
『タイのタクシーにホンダ車は存在しない』・・・その理由は一体何なのか。
トヨタの車はタイ人にとって”タクシーの車”というイメージ?
タイを走るタクシーの約9割がタイトヨタが販売する『アルティス』という車種。これは一般にも売られている車種で、直感的なタイ人にとってはトヨタの車と聞くと、はじめにタクシーを連想する人が多いとか。
トヨタ・アルティスがモデルチェンジを行えば、一般購入者よりも先にタクシー仕様でみることもあるほど、この車はタクシーのイメージが大きい・・・町を走る大量のタクシーを利用したトヨタ独自の視覚的イメージ広告とも言える。
タイホンダが昔から続けている徹底したブランド戦略
一部のタイ国民にとっては「タクシー=安い車」というイメージがあり逆にホンダは昔からタクシーとして利用されていないことで、所有オーナーに直感的な希少価値を与える独自のブランド戦略をもってます。
いくら警察が規制しようともタイのタクシーは乗車拒否などの問題が未だに解決しない。そんなネガティブな面においても差別化を図るため、タイのホンダはタクシー関係者には販売を行っていない。
ホンダのタクシーは見つかれば強制買い取り!?
ごく稀ですがタイでもホンダのタクシーを目にすることがあります。しかし、個人でホンダの車を購入してタクシーに改造したとしても、ホンダの社員が見つけると即時通報され強制的に買い取ることもあるようです。
山ほどあるタクシーを利用してCM以上の視覚的広告を展開しているトヨタ。“人とは違った車”をイメージさせるような販売戦略を維持するホンダ。
どちらがいいというわけでもないですが、昨今のタイ人の購買動向を考えると一歩ホンダが優っているようにも思えます。