近年さまざまな形で関係が深まっている日タイのサッカー界。そこで、改めて日本代表とタイ代表の対戦の歴史を振り返ってみたい。 “日泰戦”の歴史、まずはその通算成績から見てみよう――。
「昔はタイの方が強かった」は本当?
日本代表とタイ代表の対戦はこれまで計19試合行われており、通算成績は日本の13勝2敗4引き分けというもの。
Jリーグ開幕以前の時代は「タイの方が強かった」とも言われる両国の力関係だが、実際には、対戦成績だけを見れば日本が圧倒している。
【サッカー日本代表とタイ代表の対戦成績】
1963年8月10日/○日本4-1 タイ●/第7回ムルデカ大会@クアラルンプール
1966年12月17日/○日本5-1タイ●/アジア大会@バンコク
1970年8月4日/△日本0-0タイ△/第14回ムルデカ大会@クアラルンプール
1975年8月11日/○日本4-0タイ●/第19回ムルデカ大会@クアラルンプール
1976年8月16日/△日本2-2 タイ△/第20回ムルデカ大会@クアラルンプール
1978年5月23日/○日本3-1 タイ●/ジャパンカップ@名古屋
1978年7月26日/○日本4-0タイ●/第22回ムルデカ大会@クアラルンプール
1979年6月29日/○日本2-1タイ●/第23回ムルデカ大会@クアラルンプール
1984年4月15日/●日本2-5 タイ○/ロサンゼルス五輪予選@シンガポール
1987年9月2日/△日本0-0 タイ△/ソウル五輪予選@バンコク
1987年9月26日/○日本1-0 タイ●/ソウル五輪予選@東京
1991年6月2日/○日本1-0 タイ●/キリンカップ@山形
1993年4月8日/○日本1-0 タイ●/アメリカW杯予選@神戸
1993年4月28日/○日本1-0 タイ●/アメリカW杯予選@ドバイ
1997年2月9日/△日本1-1 タイ△/キングスカップ@バンコク
1997年3月15日/●日本1-3 タイ○/親善試合@バンコク
2004年7月24日/○日本4-1 タイ●/アジアカップ@重慶
2008年2月6日/○日本4-1タイ●/南アフリカW杯3次予選@埼玉
2008年6月14日/○日本3-0タイ●/南アフリカW杯3次予選@バンコク
ロス五輪予選で喫した惨敗の衝撃
では、なぜ「タイの方が強かった」という印象が持たれているのか。おそらく、1984年に行われたロサンゼルス五輪アジア予選でのインパクトが大きな要因の一つと考えられる。
最終予選の初戦となったこの試合で、日本はタイのエース・ピアポンにハットトリックを決められるなど2-5と惨敗。この際の記憶が日本のサッカーファンにも強く残っているのだろう。
対戦成績からは必ずしも「タイの方が強かった」と言い切ることはできないものの、重要な一戦で、日本がタイにこのような大敗を喫することもありえたのは事実。
日タイ間に明確な実力差が生まれたのはやはりJリーグ開幕以降、この20年のことと言っていいだろう。