94年アメリカW杯アジア予選初戦で激突!
日本サッカー史に残る「ドーハの悲劇」。Jリーグ開幕後初のワールドカップとなった94年アメリカ大会のアジア予選で、日本は最終戦ロスタイムでの失点で悲願のワールドカップ初出場を逃した。
日本にとってその予選最初の試合、アジア一次予選・第一戦の相手がタイだった。
日本は初の外国人監督ハンス・オフトの下、ブラジルから帰国した三浦知良、ブラジルから帰化したラモス瑠偉らのスター選手を擁して、前年にアジアカップを初制覇。
ワールドカップ出場が現実味を帯びる中で迎えた注目の第一戦だったが、格下と目されたタイとのホームゲームは簡単な試合にはならなかった。
SAMURAI BLUE ホームページより samuraiblue.jp/timeline/19930408/%5B/caption%5D
タイの「黄金世代」と言われた若い選手たち
この時のタイ代表は、なんと十代の若い選手がスタメンに5人名を連ねる若いチーム。才能豊かな若手が多数存在し、このあとタイ国内では「ドリームチーム」と呼ばれることになる有望な世代だった。
この試合のスタメンには、中盤に前タイ代表監督のスラチャイが23歳でおり、さらにトップには現タイ代表監督である“ジーコ”ことキャティサックがなんと17歳という若さで代表デビューを飾っているのも興味深い。
そんなタイ代表を相手に、日本はエース・三浦のゴールで1対0と勝利。だが、まだアジアの中でも絶対的な地位を築いていたわけではなかったこの時代の日本だけに、映像を見返してみても、スコアの通りに大きな差は感じられない。
むしろ、この後「ドリームチーム」と呼ばれることになるタイの若い才能たちの魅力的な足技が、改めてタイサッカーのポテンシャルの高さを感じさせてくれる一戦だ。