決勝戦は劇的な展開でマレーシアを下す!
2年に一度をベースに行われているサッカーの東南アジア選手権(AFFスズキカップ)の決勝・第2戦が12月20日に行われ、マレーシアを下したタイが6大会12年ぶりの東南アジアチャンピオンに輝いた。
ホーム&アウェイで行われる決勝戦は、17日にバンコクで行われた第1戦でタイが2-0と快勝。アウェイゴールも奪われることなく圧倒的優位な状況で臨んだアウェイ戦だったが、立ち上がりに失点すると、前半終了間際にも追加点を奪われる苦しい展開。後半にも3点目を奪われてついにトータルスコアでも逆転を許した。
だが、タイサッカー界のニュースターであるシャプイ(スパンブリーFC)が再びトータルスコアをひっくり返すアウェイゴールを決めると、もう一人のスター選手“メッシ・ジェイ”ことチャナーティップ(BECテロ・サーサナ)がダメ押しのゴールを豪快に叩き込んで優勝を決めた。
“代表熱”が一気に高まった2014年のタイサッカー界
もともとサッカー熱は高いものの、代表チームに対してはどうも冷めたところのあったタイの人々。2年前の同大会でも決勝戦まで駒を進めたものの、今ひとつ盛り上がりに欠ける印象を受けた。だが、今大会では準決勝、決勝ともに6万5千人収容のラジャマンガラスタジアムにほとんど空席は見当たらなかった。
国民がタイ代表に注目する大きなきっかけとなったのは、今年行われた仁川アジア大会でのベスト4進出。タイ国内では「ドリームチーム」と表現される、いわゆる黄金世代の若い選手たちを多く起用し、結果を残したことが“代表熱”を呼び覚ました。
ロングボール中心のスタイルからタイ人が好むパスサッカーに戦い方が移行したこと、これまでの世代に比べて規律も正しく余計な諍いを起こさなくなったことなども、タイ国民に受け入れられる要因となったようだ。
来年には2018FIFAワールドカップ・ロシア大会のアジア予選がスタートする。国民の熱狂とともに「黄金世代」が結果を出し始めたタイ代表の躍進を期待せずにはいられない。