グループリーグ第2戦で日泰が激突
21世紀に入って初の日泰戦となったのは、2004年に中国で行われたアジアカップ。1993年にワールドカップアメリカ大会のアジア1次予選で対戦して以来の、大舞台での激突となった。
アジアのチャンピオンを決める重要な大会であるアジアカップ。前回優勝国で2大会連続3度目のアジア王者を狙うジーコ・ジャパンは、グループリーグの第2戦でタイと対戦することになった。
初戦でオマーンを1対0と下した日本に対して、タイは0対3とイランに敗れての第2戦。日本優位の予想を覆して、試合は意外な幕開けとなった。
立ち上がりにタイが先制、しかし…
「アンチ日本」の中国・重慶のスタジアムはタイの応援にまわり、日本にとってはアウェイのような環境。そんななか、試合は大方の予想に反して立ち上がりの前半11分にタイが先制点を挙げた。
だが、次第に日本が地力の差を見せ始める。前半21分に中村俊輔選手の直接フリーキックで同点に追いつくと、後半11分に中澤佑二選手のゴールで勝ち越しに成功。その後も日本が加点して、結果的には4対1で日本の大勝に終わった。
アジアカップ5度目の出場で初勝利(PK勝ちを除く)を目指したタイだったが、第3戦でもオマーンに敗れて3戦全敗。一方の日本はグループリーグを1位通過すると、決勝トーナメントも苦しみながら勝ち上がり、決勝では地元・中国を返り討ちにしてアジアの覇権を守った。
急成長でアジアの王者としての確かな地位を築きつつあった日本と、「ドリームチーム」と呼ばれたひとつの黄金時代が終わりつつあったタイ。その差が、そのまま結果にも現れた2004年の日泰戦だった。