タイに長期滞在する1番簡単な方法「ビザラン」。
旅行者として観光ビザを取得し、失効日が近づくたびに近隣諸国への行き来を繰り返す。そうすることで、無期限に滞在許可を延長することができる。
なんとも原始的な方法であるが、今までのタイであれば何度繰り返しても問題が無かった。
しかし近年、アジア系の不法労働者などが急増したことでタイ軍事政権がこの問題を指摘。先日のイミグレーションの発表により、8月13日からビザランを目的の外国人の出入国は拒否されることが決まっている。
そんな新たな法案によって今後タイ国内で起こりうる3つのことをまとめた。
【その1】長期滞在バックパッカーの強制帰国
今回の法案で1番影響を受けるのは、これまで何度もビザランを繰り返してきた旅人(バックパッカー)ではないだろうか。何度もビザランを繰り返して長期にわたってカオサンロードで暮らしている「外こもり」は、場合によっては母国に帰らざるを得なくなる。
【その2】ビザラン系の旅行業者の危機
長期滞在希望者の需要に当て込んで隣国ビザランツアーを提供してきた旅行会社は、今回の法案により大打撃をうけることになる。タイは以前から中華系の旅行会社が多く、今回の法案はそういった業者を摘発するための処置にもみえる。
【その3】一部の日系ブラック企業の摘発
ビザランを活用していたのは旅行者や旅行代理店だけではない。一部日系企業も労働許可書なしで日本人を雇うために利用している。「現在タイ人スタッフが少なく、労働許可書の発行ができないので、ビザランを使ってつないでください。」というのが決まり文句だった企業は、場合によっては今後は通用しなくなる。
地元の報道では不法労働者のターゲットは主にロシア人、韓国人、中国人などとしているが、けしてそうとも限らない。
政府の対策に異論はないが、タイの魅力であった「ゆるさ」は時代と共に失われつつある。
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bit.ly/1riqVql