タイに旅行に来たときに「トゥクトゥク乗りたい」と言う人は多いと思います。私も旅行で来ていた頃は、ちょっとホテルまで、ちょっと駅まで、ちょっと買い物に、と短距離を中心によくつかいました。 しかし実際に暮らすようになって、トゥクトゥクに乗る機会も目にする機会も減ってしまいました。「ああ、メータータクシーの登場で廃れていってるんだなぁ」と思っていたのですが、昨年の陸運局の発表によればバンコク市内のトゥクトゥク台数は増えているそうです。
www.nna.jp/news/show/20160418thb017A
一番多いのは観光利用
トゥクトゥクの主な利用者は観光客とされており、在住者が多いエリアで見かける機会が少なくなったのは当然といえば当然かもしれません。スクンビット界隈であれば短距離でも乗せてくれるタクシーは多いですし(むしろ中長距離で断られることが多い)、片言の英語や日本語が通じて、値段交渉の必要がなく、冷房のついて快適なタクシーに乗るほうが断然楽です。シーロムなどでもトゥクトゥクを見かけることはありますが、ホテルが多いことからも主な利用者はホテルと駅の間を行き来する観光客が中心でしょう。
荷物が多いときの味方
とはいえ、まだまだ市民にとっては大事な足でもあります。市場で大量の野菜や肉を買い込んで積み込む人や、スーパーの出口で洗濯機を積み込むトゥクトゥクを見かけることがあります。手軽に大量の荷物を短距離で運ぶにはトゥクトゥクが便利で、さらに小回りが効くので細い路地でもスイスイ入っていけることもポイント。料金がタクシーより若干割高ではありますが、荷物の上げ下ろしを手伝ってくれる手間賃と思えば安いもの。料金交渉が面倒というイメージがありますが、バイクタクシーのように一定の相場はあるものです。目的地までのタクシー運賃を知っている人ならばボッタクリにあう確率もそれだけ下がるはず、です。
当局の規制により、最近のトゥクトゥクは開口部にネットが設けられていたり、新しい車体は足元が広く幅もあるので大人数で乗り降りするのも楽になりました。EVトゥクトゥクの開発なども噂されていますし、やたらと古くて汚い車両はこの10年で随分と減っているようにも思います。
私も使ってます!
実は私自身もスーパーや市場での買い物の帰りにはトゥクトゥクを利用しています。風を受けて走るのが気持ちが良く、タクシーより少し割高だと思いつつもほんの10~20バーツ程度ですから大した金額でもありません。また、スクンビット界隈に暮らす友人が遊びに来たときに「うちのほうではもう見なくなったから」とトゥクトゥクに乗ってきたこともありました。トゥクトゥクが観光利用ばかりになるのは寂しいもの。まだまだ現役で「市民の足」として働いているトゥクトゥクをもっと知ってもらえたらなぁ、と思います。