ご無沙汰しております、ヨーコです。ちょっとお休みいただいておりましたが、またぼちぼちとタイ語にまつわることを書かせていただければと思います。よろしくお願いします。
さて。よく、はじめてお目にかかった方に「タイ語が通じなくって困るんですよねぇ」とか「彼のタイ語、なかなか通じないんですよ」なんて言う紹介を受けることがあります。タイ語の発音を考えるときに、「何が通じていないのか」を分析する必要がありますよね。
タイ語の単語は「母音」「子音」「末子音」と「声調」(これらがひとまとまりになったものを音節と言います)がつながって構成されています
もちろん、この4つの要素すべてが正しいとスムーズに通じるのですが、私たち外国人がそんな風に全部正しくとはいかないですよね。母音だって、長短が子音だって同じような音が何種類もありますもの。ということで、今回は「タイ人にどう聞こえているの」というお話。
タイ人がわからないタイ語って。
日本語は音の数も少ないですし、声調もないので外国の人が話しても「まったくちんぷんかんぷん」ということがタイ語とかよりも少ない気がします。たとえば、「このあたりがスターバックスにあります?」って外国人が聞いてきたとしても、「このあたりにスターバックスがあるか聞いているんだなぁ」ってわかりますよね。でもタイ語だとそうはいかないのです。
皆さんもご存知な通り、タイ語には「同じ音だけれど違う声調だと全く違う単語の意味になる」のです。それに、無気音や有気音、末子音のn,ng などをあいまいにしちゃうと。ものすごーくたくさんの単語の候補が出てくるのです。
薬とおばあちゃん
私の留学時代の失敗談をここで一つ。私にソードゥアン(胡弓みたいな楽器ですね)を教えてくださっていたスチャート先生がお風邪をひかれた時のこと。ゴホゴホ咳をなさっている先生に向かって「先生、お薬飲まれましたか?」と聞いたつもりが、「はぁ?」と言われる羽目に。
お薬、という単語は「yaa」で1声ですが、その時私の発音が3声だったものですから、「おばあちゃん飲みましたか?」って言うとんでもない質問をしていることになったので、当然先生からは「はぁ!?」と言われるわけです。「おばあちゃんどうやって食べるねん、わしゃばけものか」って笑いながらずいぶん突っ込まれましたが…(苦笑)
辛いとアヒル
もう一つ、アテンドしたときの思い出話を。とある有名タイスキレストランに行った際のことです。そこのお店は日本人のおじさまがたくさん利用されるお店でして。「タイ語で辛いというのはペットというんや」「この料理はペットやなぁー」「タイ料理はペットペットや」みたいな会話が聞こえてきます。(標準語だったかもしれませんが、関西弁で再生させていただいております)
ここで、同席したタイ人と私の頭にはアヒルちゃんが飛びまくっています。タイ語の「辛い」のペットのパ行は有気音という、日本語のパ行とは違う破裂させない音なのでどうしても「アヒル」に近い発音になっちゃうのです。
類推が難しいのは違う単語に聞こえるから
タイの人になかなか分かってもらえない理由は、日本語のように「てにをは」が違っているぐらいの間違いではなく、全く違う意味の単語が耳に飛び込んできているので、それを一度ひも解くという作業が必要だからだということが少しイメージしていただければと思います。
次回は、それでもタイ人に伝わりやすくするコツをお伝えしたいと思います。
サワッディーカァ