日本人のあいだではリタイヤ後のロングステイ先として人気のチェンマイ。欧米人デジタルノマドのあいだでは世界でもトップクラスのデジタルノマドシティとの評も受けている。
その好評価の理由を探ってみた。
生活コストが安い
タイに長く住んでいるとタイは別に安い国ではないと感じはじめ、外国から「タイは安い!」となだれ込んでくる観光客やビジネスマンに閉口することも多い。だから、チェンマイはすごく安い! とは言いたくない。しかし、欧米人デジタルノマドにとっては「チェンマイは安い!」というのが定評のようだ。
コワーキングスペースや作業のしやすいカフェがいたるところにある
24時間利用できるコワーキングスペースが市内各所に点在している。また、カフェは雨後の筍状態で林立しており、そのほとんどでインターネットが使える。周囲の山の中の緑あふれる環境の中でのんびりじっくり作業するのに向いているカフェも多い。ちなみに猫カフェも数件ある。
コンパクトな街なのでバイクや自転車で移動できる
もちろん一部のエリアでは車が渋滞しているが、バイクや自転車で移動すれば渋滞も関係ない。街からバイクで10分も行けば美しい山。渋滞や移動のストレスが少ないだけでずいぶんと生活の質は上がる。
気候がよい
チェンマイには冬がある。冬と言っても寒すぎない。朝晩は長袖のジャケットが必要だけれど、昼には気持ちのよい陽気。エアコンなしで暮らせる日が1年に数ヶ月もあり、一番暑く煙害に襲われる3月4月以外はおおむね過ごしやすい。
健康的な食事、習慣が身近
チェンマイにいるデジタルノマドは健康指向の人が多いように感じる。チェンマイはバンコクとは違ったチェンマイ式のタイマッサージが盛んで、それを学びにくる人も多い。また、ヨガも盛んで、そこらじゅうにヨガスタジオがある。また、チェンマイの周りにはオーガニックファームが数多くあり、また、王室プロジェクトの野菜を栽培している農家も多く、安全で健康な食材が豊富に揃っている。
文化的に豊かで美しい街
チェンマイのデジタルノマド達がここにしばらく滞在する決定的な要因のひとつは、この街が美しく、豊かで、とても暮らしやすいということ。チェンマイはタイの現在の王朝が始まるまではランナー王国として別の文化を持っていた場所であり、バンコクや他の地域では触れられない文化的な体験もできる。また、自然も豊かで、日常的に緑の中でリフレッシュすることができる。
外国人が納得できるサービスが豊富
バンコクに比べるともちろん街のサイズも違い、レストランの数も違う。けれども、チェンマイには外国人が納得できるようなレベルのレストラン、医療サービス、コンドミニアム、その他様々なサービスにあふれ、必要なものは全て揃う。
デジタルノマドのコミュニティがアクティブ
ひとりやカップルで移動しているデジタルノマドが多いので、デジタルノマド同士が情報交換をするグループが非常にアクティブ。新入りに対してもオープンで優しく、到着したばかりのデジタルノマドでもあっという間にこの街に慣れることができる。また、デジタルノマドがいかにして生計を立てているかを教えるようなワークショップやデジタルノマドライフをサポートするサービスなどもある。
インターネットが比較的安定している
光ファイバ回線も通っているので、インターネットで作業をすることにストレスを感じることが少ない。デジタルノマドにとっては最も重要なファクターのひとつ。
声の大きいウェブ系デジタルノマドが多い
『世界一のデジタルノマドシティだ!』と言っているのは滞在しているデジタルノマド本人達。その多くがウェブ業界に関わっており、自身のブログを持っている人も多いので、結果そのような評価がオンライン上にあふれることになっているという要因も。
バンコクのような大都市とは違い、外国人を雇うような会社はそれほど多くない。しかし、オンラインで収入を得るデジタルノマドにとっては就職先があるかは問題ではなく、ライフワークバランスを重視した場所選びをした場合、チェンマイが上位に上がってくるのだろう。