米マイクロソフトが主催する世界の優秀な学生らを集めたIT技術コンテスト「イマジンカップ」が7月10日、オーストラリアのシドニーで開かれ、タイの名門マヒドン大学のチームがゲームデザイン部門で最優秀賞を獲得した。
イマジンカップは、マイクロソフトの創設者 ビルゲイツが2003年に始めた国際イベント。想像力豊かな学生たちの革新的なアイデアや技術を世界に広める場として、毎年開かれている。ここ最近は180 を超える国と地域から 35 万人以上の学生たちが参加している。
スペインのバルセロナを会場に開かれた第1回大会から今年で10年目。これまで、横浜(日本)、デリー(インド)、ワルシャワ(ポーランド)、ニューヨーク(アメリカ)などで開催された。
日本からも数多くの学生が参加。2008年には慶応義塾大学の学生が、2009年には武蔵野美術大学の学生が、それぞれアルゴリズム部門と写真部門で3位入賞を果たしている。
第10回大会となった今回は、各地の予選を勝ち抜いた世界75ヶ国350人余りの学生たちがオーストラリアのシドニーに集結。自慢の腕を競い合った。
ゲームデザイン部門で見事、最優秀賞を獲得したマヒドン大学は、チュラロンコーン大王(ラマ5世)が1889年に創設した国立大学。タイの大学の中でも最も古い権威ある教育機関の一つとされており、医学部のレベルは世界でもトップクラス。
その受賞作品は、森林破壊をテーマに開発された戦略ロールプレイングゲーム。プレイヤーが仲間である森の動物たちとともに、森林伐採を進める邪悪なロボットたちから森を守るために戦うという設定だ。世界各地で進む森林破壊。時機を得たテーマと緻密で高度な技術が、高い評価につながったと見られている。
「東南アジアのデトロイト」と呼ばれるほど製造業が集まるタイ。一方で、近年はインターネットの浸透とともに、IT関連産業も急速な発展を続けている。高度で革新的な技術を持った次世代の若い頭脳が続々と現れる土壌で、タイから新しいイノベーションが生まれる日も、そう遠くないかもしれない。