洪水被災者のための募金を呼びかけ!
タイを襲った未曾有の大洪水。洪水被災者を支援しようと、知り合いの職人たちがインターネットで募金を呼びかけたところ、予想を超えてたくさんのお金を集まったことから、炊き出しをすることとなった。その救援活動に同行した。
11月5日未明。まだ夜も明かないうちから職人の奥さんたちが起き出し、米を炊き、鶏を揚げ、魚を焼くなど準備に取りかかった。用意された食材は次のとおり。
●魚蒸し
●袋麺
●薬セット
●鶏から揚げ
●豆煮
●キノコ
●餅米
●パン
お年寄りや病気の人には薬も用意。横流しを防ぐため一袋づつ小分けにし、一人一人に行き渡る工夫も。用意された救援物資は全部で約800セット。
一路、Phatun Taniへ!
目指すは、チャオプラヤ川上流のペプシ工場付近、Muanthon tani・インパクトの先。Baan puuという地区で、付近一帯は工業地帯。
一面、濁流が覆い尽くしているというのに、なお多くの住民がここで暮らしている。その理由を尋ねると…。
●泥棒がいる。
●タイミングを逃した。
●住み慣れた地を離れたくない。
●動けない老人がいる。
●避難所とここの生活は、変わらないと考える。
●ペットがいる。
などさまざま。
地元のレスキュー隊は、近くの高速道路上にテントを敷設し、1ヶ月以上にも。いつまで続くか分からない状態に、疲れもピークといったところ。
ただ、希望は失っていない。「大変だけど、大変な状態に慣れれば、それは、普通」と至って気丈に振舞っていたのが印象的だった。「地元に残る友人達が心配だから」と話す人の姿も。
夕方5時。冠水した街に向かうボートがやって来た。12人乗りの小さいエンジンを積んだモーターボート。不謹慎かもしれないが、さながら、マングローブ、ディズニージャングルクルーズ。ちょっとしたワクワク感。
レスキュー隊の皆さんは地元を知り尽くしており、水面下の地理もしっかり頭に入っている。その意味では一安心。
水没した街へ
2F、3F、屋根での生活。水深は2メートルから4メートルといったところ。
現地パトゥンタニ周辺で撮影した写真
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建物の中に入ってみた。ある種の「臭い」を予想していたが、意外にも水は無色無臭。チャオプラヤ川の水よりも澄んで見える。5歳若かったら、飛び込んでいそうだ。ただ、夜になると蚊が多いのが気になった。
印象的だった言葉
出発前、見送りに来てくれた職人奥さんたちの言葉が思い起こされた。「幸せを配ると、自分たちも幸せになれるんだよ」
応対してくれた民家の奥さんも、終止笑顔で話していた。
次回の噴出しは、11月20日(日)
今回、集まった募金の総額は312口、78,000B(約22万円)。
引き続き、ボランティアを募集している。興味がある人は、info@muzina.netまで。
今回の同行取材を通じ、感心したのは「大変です」とは言いながらも、なお明るく振舞う被災者たちの姿。目の前にある現実を受け入れながら、いかに過ごしていくか。とても勉強になった。考え方一つで、景色が変わるこを改めて教えてもらった。