「ラードナー」と「パットシーユー」はタイ全国で食べられる大人気の麺料理です。だいたい同じ店で売られています。二つのメニューは麺、野菜など具材が同じだからです。2013年のCNNの調査によると、「パットシーユー」が外国人に「一番素晴らしいタイ料理」として投票されたそうです。香味料や野菜から出る濃厚な味が人気の秘訣だということです。
「ラードナー」と「パットシーユー」は中国大陸から渡ってきた麺料理です。現在の広東省潮州市のあたりから伝来しました。最初に伝わったのは「ラードナー」です。当初は、バナナの葉で包んで売っていました。時が経ち、タイ人の好みに変わっていきました。
麺はビーフンが一般的です。注文を受ける前に、麺をナンプラーやタイ醤油で炒めておくのが特徴です。「ラードナー」は、肉やカイラン菜を具材に、片栗粉でとじたスープを麺にかけることで完成します。一方、「パットシーユー」は下味を付けたビーフンを肉やカイラン菜、玉子と一緒に炒めて作ります。最近は、ビーフンの代わりに揚げた黄麺をラードナーにして食べるのも流行っています。
『ราดหน้าพาราเม้าท์ 』ラードナー・パラマゥト
はじめにご紹介するのは、とっても有名なお店です。「ราดหน้าพาราเม้าท์ ラードナー・パラマゥト」という店名で、もう30年間も営業してきます。
「プラチャーウティット ประชาอุทิศ」通りから「シワラー ศรีวรา 」通りに入ると、At Park Town in Townというショッピングセンターがあります。お店は、ショッピングセンターにあるマクドナルドの反対側にあります。
このお店は以前、プラツーナム街の「พาราเม้าท์ パラマゥト」という古い映画館の前で営業していたことがあります。常連のお客さんに「ราดหน้าพาราเม้าท์ ラードナー・パラマゥト」という名前で知られるようになり、移転後もその名前を受け継いでいるということです。
一番人気は、やっぱり「ラードナー」と「パットシーユー」ですね。最大の特徴は新鮮な豚肉です。毎日、豚肉に店長秘伝の方法で下味を付けています。肉そのものの匂いも良く、柔らかくてとても美味しいです。この他、シーフードも好みで注文できます。
値段は一杯40-50バーツ。営業時間は10.30時 – 21.00時、月の最後の日休み。
『ยินดี 』インディー
次にご紹介するのはけっこう古いお店です。「ยินดีインディー」という店名で、もう40年以上も営業してきます。
「โรงพยาบาลกลาง」というセンター病院の交差点から「ซอยสวนมะลิ 1 スアンマリ1 」という小道(ソイ)に入って、100メートルくらい進むと、お店が右側にあります。赤い看板で判断できます。
高い品質と清潔さがお店の特徴です。具材はどれも新鮮で、質がいいものしか選びません。カイラン菜も新鮮でちょうどカリカリ柔らかいものだけ。豚肉と鶏肉も柔らかい部位を使います。肉は毎日、醤油、ソース、砂糖、玉子で下味を付けておきます。
一番大人気のメニューといえば、やっぱり「豚肉ラードナー」です。でも、「パットシーユー」もおススメです。一度味わったら、美味しくて忘れません。調味料もなくても十分。特にラードナーのスープは適度に粘り気があって、豆醤の匂いがします。
値段は一杯35-45バーツ。営業時間は11.00時 – 23.00時、年中無休。
『ภัตตาคารจ๊ากกี่』パットラカーン・チャーッギー
最後にご紹介するお店も本物のラードナー店と言えます。「ภัตตาคารจ๊ากกี่ パットラカーン・チャーッギー」という店名で、バンコクの中華街から移動して、現在の場所で30年間も営業してきます。
民主記念塔から、CENTURYというデパートの隣にある「รางน้ำ ラーンナム」小道(ソイ)に入って、左側の「วัฒนโยธิน ワッタナヨーティン」小道に入って、100メートルくらい進むと、お店が右側にあります。赤い看板で判断できます。
こちらは「ラードナー」しか売っていません。豚肉でも、鶏肉でも、牛肉でも注文できます。こちらのカイラン菜は葉の分じゃなくて、長い新芽を使います。とっても美味しくいただけます。
一杯100バーツしますが、お客さんの誰もが高いとは思いません。一度味わってみれば、その理由が分かります。むしろ、100バーツはお得と感じるでしょう。
なぜなら、具材は全部、新鮮で高品質のものばかり。お客さんの注文に合わせて、一つずつ作ります。肉も柔らかいし、スープも濃くて旨くて最高ですよ。
もう一つおススメなのは揚げたワンタンです。どこのお店とも違うパリパリの美味しさです。食べてみてくださいね。
値段は一杯100-110バーツ。営業時間は11.00時 – 15.00時、月の最初の日休み。
おススメの一品と注文の仕方
今回、ご紹介しましたタイ餡かけ麺「ラードナー」とタイ醤油炒め「パットシーユー」。おススメの一品は、ズバリ「豚肉タイ餡かけ太麺」。これで行きましょう!
タイ語では、ราดหน้าหมูเส้นใหญ่ と表記し、カタカナ書きにすると「ラードナームー・センヤイ」となります。「ムー」は豚という意味です。さあ、さっそく注文してみてくださいね。
タイと言えば屋台、屋台と言えばタイというほどに馴染みの深い屋台文化。街には星の数ほどの無数の屋台がひしめき合い、人々の食欲を満たしてくれている。種類も多岐にわたり、麺、おかずかけご飯、揚げ物、シーフード、菓子など…。その迫力や豊富さには、しばし圧倒されるほど。新企画「タイ人直伝!タイの屋台の基礎知識」では、anngleの若きタイ人ライターが屋台料理の隠れた魅力、種類、注文の仕方、イチ押しの店などを連載で一挙ご紹介!これだけあれば、もう貴方も、タイの屋台通に!(取材・文:プーたろう)