前回から始まった「屋台企画」クイティアオ編。米粉で作るタイ麺の歴史も分かったところで、今回は、数ある種類のお話――。
豚骨スープ麺 「クイティアオ・ムー」
最も一般的なクイティアオと言えば、この豚骨スープ麺です。具材には、豚ひき肉の団子や揚げたワンタンの皮、魚のつみれなどを入れます。
何気なく店に入って、一番多いのが豚骨スープのお店。ただ、ノーマル風の屋台であっても、次の牛骨麺を売ってる店もあります。タイ人はどうやって見分けているかというと、「看板を読む」。ちゃんと書いてあるのです。タイ語の勉強にもなりますよ。
牛骨スープ麺 「クイティアオ・ヌア」
牛骨スープ麺に欠かせないのが、具材として上に乗せてある煮込み肉。大人気です。ただ、タイ人でも牛肉が食べられない人が10%ぐらいいると言われています。
というのも、タイにはスリランカから伝わった仏教とは別に、中国から伝来した観音様を崇拝する信仰があって、この観音様の信者は牛肉を口にしないというタブーがあるからです。
牛骨・豚骨スープ生血入り麺 「クイティアオ・ルア」
牛骨・豚骨麺専門のお店で食べられます。たいてい小舟が店頭にどーんと飾られていることが多いので、すぐそれと判断がついます。牛と豚の生血を入れた濃厚なスープが特長です。
鶏スープ麺 「クイティアオ・ガイ」
鶏スープ麺のお店を探すには、店頭のガラスケースの中にショーアップされた丸々一羽のゆでた鶏と、その下にどさっと積まれた麺があるので分かります。麺がないと、「ゆで鶏ご飯=カウマンガイ」の店という可能性もあります。
あひるスープ麺 「クイティアオ・ペット」
アヒルスープ麺のお店も同様に、あひるがショーアップされています。「あひる煮込みご飯」と同じ店で売られていることもあります。ガラスケースの中に麺があるかないかで判断できます。
紅腐乳麺 「クイティアオ・イェンターフォー」
鶏か豚骨スープのお店にしかありません。中華料理で使われる紅腐乳という豆腐の発酵食品がスープに溶かしてあり、少し酸っぱい味がします。イカ、空芯菜、揚げたワンタン皮、つみれ、血の固めたものが必ず入ります。
豚骨スープワンタン入り小麦麺 「バミー・ギィアオ」
豚骨スープのお店にしかありません。麺は小麦から作られた黄色い麺で、ワンタンと焼き豚が入ります。ワンタンの中には豚ひき肉か海老も入ってます。中華ラーメンの影響を受けたタイのラーメン、ワンタンがポイントです。
もつ煮込みスープ巻き太麺 「クゥイヂャップ」
四角や三角のくるくる巻いた太麺が特長です。スープは、シナモンやスターアニス、様々な漢方薬と骨のもつを煮込んだものからできています。煮込み卵も入ります。早朝か夜のナイトマーケットに出ていることが多いです。
次回(来週火曜日)は、クイティアオ編・麺の種類をお届けします。
タイと言えば屋台、屋台と言えばタイというほどに馴染みの深い屋台文化。街には星の数ほどの無数の屋台がひしめき合い、人々の食欲を満たしてくれている。種類も多岐にわたり、麺、おかずかけご飯、揚げ物、シーフード、菓子など…。その迫力や豊富さには、しばし圧倒されるほど。新企画「タイ人直伝!タイの屋台の基礎知識」では、anngleの若きタイ人ライターが屋台料理の隠れた魅力、種類、注文の仕方、イチ押しの店などを連載で一挙ご紹介!これだけあれば、もう貴方も、タイの屋台通に!(取材・文:プーたろう)