【Granmonte Heritage Shrah】(グランモンテ)生産地:カオヤイ
フランスのコート・デュ・ローヌ地方を原産地とする赤ワイン用ブドウ品種シラーを100%使った1本。強い日射しが降り注ぎながらも、寒暖の差が激しいというカオヤイの気象条件がシラーの生育にマッチ。品質の良いブドウが収穫できることが分かった。
このブドウ品種を使用したワインは、甘く香ばしいスパイスに似た香りを持ち、色は濃赤色、男性的で力強い味わいとコクが特徴だ。フランス、タイのほか、オーストラリア、チリ、米カリフォルニアでの栽培も有名。
カオヤイにある醸造元の娘がオーストラリアにワイン留学。その技術を持ち帰り、タイ産赤ワインとして完成させた。日本にも出荷しており、上々の出来として高い評価を得ている。世界で最も影響力のあるワイン評価機関「ロバート・パーカー」で83点(100点満点)を獲得したことでも知られる。
ソムリエ:Koji Haraからの一口ポイント
野性味溢れるグランモンテには、ステーキなどの肉料理がマッチするが、胡椒やナツメグ、シナモンなど香辛料の効いたタイ料理にも実に良く似合う。フランス産のシラー品種ワインと同様、アルコール度数を抑えた飲みやすい1本で、味と香りを心地よく楽しむことができる。
ソムリエ:Koji Hara
愛知県出身の42歳。2001年ごろからタイと関わるようになり、バンコクでワインバーを経営したことも。ソムリエのほか、日本酒の利き酒師の資格も持つ。HPアドレスは次のとおり。
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新企画「New Latitude Wine(新緯度帯ワイン)の魅力」
ワインの産地は、フランスやイタリアなどの伝統的な南欧州を旧世界「オールドワールド」と呼ぶのに対し、米カリフォルニア、チリ、豪州などの新興国を長らく「新世界」と呼んで区分を明確にしてきた。
ここに近年、新たに加わったのが、「New Latitude Wine(新緯度帯ワイン)」と呼ばれる産地。北緯・南緯ともに30~50度が最適な緯度帯とされてきたワイン醸造で、北緯50度以北のオランダ、デンマーク、ポーランド、北緯13~15度のタイで造られるワインは、かつての常識を超える存在として注目を集めている。
新企画では、新緯度帯ワインの筆頭株、タイ産ワインを紹介していく。