バンコクでファッションブランド「TRAPS&WANA」を展開する友人のTEPPEI氏から紹介を受けたのが、今回、取り上げる話題のタイラーメン店。場所は、バンコク南西部の人気観光スポット、チャイナタウンから2つ隣のストリート「チャルンナコン」。食器や日用品の卸関係の店舗が連なるこのエリアは、MRT(地下鉄)の新しい駅もできることから、最近は特に活気溢れる街になりつつある。
そんな盛り上がりを魅せる卸街の一角に60年以上も続いている大盛りラーメン屋があるというのだ。早速、訪ねてみることに。
場所の枝番はチャルンナコンソイ23。炎天下の中での店探しは、思いのほか苦難を伴った。
TEPPEI氏曰く、「店の目印は中華系の銀行、近くでモタサイ(バイタク)に聞けば、まずわからない奴はいない」。若干不安を覚えながらも、目印となる中華系の銀行を目指した。付近を徘徊すること数分、地下鉄工事中の裏道の隙間を縫って更に奥に進んだところに、噂のその店はあった。
店の名前は「バミージャップガン」ジャップガンとはタイ語で肉体労働者の意味。力仕事が必要なワーカーに、できるだけたくさん食べて欲しいという思いから名付けられた。訪ねた時は、ちょうどお昼の正午。少しずつ昼食を求める客足も増え、人の熱気とズンドウ鍋の湯気で付近一帯は異常なほどの暑さとなっていた。
店内は古いタウンハウスを改装した造り。道を挟んで向かい側にもテーブルは並べられ、間もなく満席となった。ちょうど店の前で接客をする店主がいたので聞いてみた。「こんな暑い環境の中で気づけば60年以上も経っていた。でも、未だに人がまったく絶えない有名なお店だよ!」。気さくな声でそんなふうに話してくれた。
ここのバミー(タイ式ラーメン)はとにかく量が多いことで有名。普通サイズを頼んでも丼ぶりいっぱいに麺が盛られてくる。普通サイズでも多すぎる一杯のバーミーナム。だが、肉体労働者のタイ人は大半がバミーピセー(ラーメン大盛り)を注文する。
試しに記者が頼んでみたラーメンは、バミーナム(汁ありラーメン)とバミーヘーン(汁なしゆでそば)の二種類。値段は普通盛りが40B(120円前後)、大盛りが50B(150円前後)。一般的なタイの屋台に比べると若干割高だが、ワーカーの人がこのボリュームをみたら妥当とも言える。
店の壁には歴史を感じさせる創業時の張り紙!?やステッカーなどが所々に貼られていた。近くのタイ人客に尋ねてみたところ、最も店がごった返すのは労働者が仕事上がりの夕方17時以降。地下鉄の延伸ににより活気を増しつつあるこの場所で、田舎から出稼ぎに来ている男たちへの最高の支援となっていることは間違いない。
バミージャプカン – チャルンナコンソイ23
バミーナム/バミーヘーン:40B
バミーナム(大盛り)/バミーヘーン(大盛り):50B