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バンコクいい店やれる店 ~木枯らしが吹き始める頃、無性に懐かしくなる味噌ラーメンを熱帯の街バンコクで…~

カレンダー的にはすでに11月。暦で言うと立冬を過ぎたくらいか。風は涼しさをとっくに通り越して寒くなって、体を温めてくれる食べ物が欲しくなる季節。と、東京に住んでいれば、そろそろこんな季節のはずだけど、ここバンコクでは、やっと雨季が開けたばかりで、雨が降らなくなったとはいえ、外を歩けば、汗だく、部屋の中ではエアコンをガンガンかけてる生活。

味噌ラーメンといえば、日本では、藤岡琢也さんのCMで有名な1968年の「サッポロ一番みそラーメン」発売くらいから全国的に食べられるようになったらしいが、自分的には小学生の頃母親に連れられて入った札幌ラーメンの店で食べたのが初めて。コーンがトッピングされ、木彫りの杓子がレンゲ代わりに付いてきてビックリするほど黄色い麺にビックリしたことを憶えてる。味の方の記憶はあんまりないが、その後、母親にリクエストしてリピートしたことから、けっこう気に入っていたんだと思う。

話をバンコクに戻そう。こんな季節感のないバンコクにいながらも、体を胃袋の中から温めてくれる「味噌ラーメン」が無性に食べたくなる時がある。中華鍋にたっぷりの野菜を投入して炒め、スープと味噌だれを合わせて乳化したスープがコッテリポタっとした味噌ラーメン。凝縮された野菜の旨味が味噌の風味に包まれ、体中に染みていく感じ。体が覚えているこの感覚を熱帯の街バンコクでも味わいたくなる時がある。

数多くの日本食レストランが群雄割拠し、いろんな種類のラーメン店が乱立するバンコクにあっても自分がイメージする理想の味噌ラーメン、記憶の中にある懐かしい味噌ラーメンに出会えるお店はあまり多くはない。

ラーメンハウス桃太郎

この連載でもお馴染みのタニヤにある昔ながらの街の中華屋系ラーメン店の老舗、ラーメンハウス「 桃太郎」。自分的には「キホンのキ」のような味噌ラーメン。たっぷりの野菜の旨みが嬉しい。特にモヤシのシャキシャキ感とコッテリした味噌味のコントラストが絶妙な味わい。

この味噌ラーメンを食べさせてくれる「桃太郎」は、リーズナブルな値段と場末の雰囲気も含めて「バンコクのラーメン界の良心」と呼びたい。いろいろ浮気はしても、最後に戻ってくる場所。

らあめん亭

こちらも街の中華屋系では老舗のチェーン店の「らあめん亭」。桃太郎にくらべると、味噌の味わいにプラスしてコマが強く香るスープ。さらにけっこうニンニクも効いていて、複雑な味わいに仕上がっている。味噌ラーメンではあるが、やや担々麺に近いと説明すればわかりやすいかもしれない。この独特な感じも好感度が高い。

にこにこ亭

これはバンコクではないので、この企画の趣旨からは外れるかも知れないが、チョンブリ県のアマタナコン工業団地の裏手にひっそりと佇む一軒家のラーメン屋さん。なんでこんなところにラーメン屋がと思うロケーションだが、ランチタイムには近くの工場で働く日本人で溢れかえるほどの人気店。濃厚な味噌味にやはり野菜たっぷりの正統派味噌ラーメン。

タイまで来て工場で働く日本のサラリーマンの方々の強い味方。

ばんかららーめん

もしかしたら、バンコクでナンバー1の人気ラーメン店かもしれないくらい毎日行列ができるラーメン屋さん。このお店のメインは「東京豚骨」という醤油ベースのとんこつラーメンだが、メニューの中に味噌ラーメンもラインアップしてある。いままで登場した野菜を中華鍋で炒めて味噌ベースで溶いて仕上げる基本の味噌ラーメンではないが、大量のもやしとコクのあるスープがイイ感じ。

ただ、スープのしょっぱさがかなりハイレベル。モヤシの助けを借りてスープを啜るようなレベル。肉体労働者にはちょうどいいかもしれないが、豚骨ベースのコッテリスープだし、高血圧、高脂血症の方は要注意な禁断の味。

大勝軒

トンローソイ10のラーメンチャンピオンズの一角を占める東京風なラーメン屋さん「大勝軒」の味噌ラーメン。ここのラーメンは普通のラーメンのスープが味噌ベースになっているタイプ。その分野菜も控えめで見た感じは濁ったスープの東京ラーメンのような雰囲気。お味の方もあっさり系かとおもいきや、出汁が効いててしかも味噌の香りと味も濃厚な仕上がりで重層的な味わい。

豚珍館

タイ人経営の個店としてはキャリアも長く、かなりハイレベルな豚珍館。塩ラーメン、支那そばといったアッサリ出汁系のメニューと並んで味噌ラーメンもお気に入り。ここも坦々麺レベルの濃厚な味噌ベースのスープがかなり高い好感度。

知多ラーメン ゆたか亭

愛知県の知多半島が発祥の知多ラーメンゆたか亭。知多半島で作られる特産のたまり醤油、味噌などをベースにしたスープで勝負をかけるお店。たまり醤油を使った醤油ラーメンや赤味噌ラーメンがメニューにあるが、オススメは極味噌ラーメン。スープはアッサリと仕上がっているにも関わらず、味噌の深い味わいが特徴。トッピングのチャーシューもたっぷり煮こまれてホロホロと崩れる感じで秀逸。

みそや

今年になってトンロー日本村の向かいに登場した味噌ラーメン専門店の「みそや」。これだけラーメン店が乱立してても味噌ラーメン専門というのはここが初めて。味噌樽を造作に使った内装、店頭に鎮座した製麺機など、やる気満々で登場。メニューも東京味噌、北海道味噌、九州麦味噌(現在は中止)と違う3種類の味噌を使ったスープが選べる。

のじ屋

かつて豚笑というとんこつラーメンがあったあとを居抜きでオープンした山形辛味噌ラーメンの「のじ屋」。東北からのラーメン屋さんは、仙台ラーメン「もっこり」に続いて二件目。ここの特徴は秘伝の辛みそトッピング。そして、炙って香ばしさを 増したトビウオ(あご)と煮干し、するめなどの魚介と、鶏と豚骨でとるダブルスープ。このスープの出汁が凄いことになってる。魚粉とか使ったスープと違い、香りと旨みがムチャクチャ詰まってる。辛味噌は入れないで、この「凄出汁」の香りに包まれながら最後まで完食、全汁いっちゃっても全然OK。

ハッキリ言って、今年オープンしたラーメン店の中でも飛び抜けてスープの出汁が効いたお店。お店は、狭く、貧相な店内だけど、そこが却って、ここの味を引き立てているとさえ思えてくるのが不思議。

仙台ラーメン もっこり

トンローに1号店がオープンしてからすでに5年以上が経っているはずの仙台辛味噌ラーメン「もっこり」。良心的な価格帯とラーメン屋の常識を超えた幅広いメニューが人気のお店。オススメは冷やしラーメンと冷やし中華。

吟屋

大勝軒と同様、トンローソイ10のラーメンチャンピオンズで営業中のお店。長野にある「助屋」と「吟屋」のコラボでオープンしたラーメン店。乳化した濃厚スープは味噌の風味がしっかり感じられて美味しい。これだけ、濃厚でもしょっぱ過ぎないところは味噌の扱いに慣れているということか。個人的には、麺とスープとチャーシュー以外に何かトッピングしないと最後の方では飽きる感じは否めない。

毘沙門

シンガポールからバンコクに上陸した「毘沙門」は、バンコクの居酒屋「魚昌」と同じ経営のお店。ここのラーメンのラインアップは多彩で、東京、九州、札幌のシリーズからそれぞれ何種類かのスープを選べる仕組みになっている。札幌ラーメンの中から「特製味噌ラーメン」を選ぶ。アッサリ過ぎず、コッテリ過ぎない味噌ベースのスープはほんのりショウガの香りがしてサッパリと入っていく感じ。

これだけバリエーションのあるメニューを揃えたラーメンのデパートみたいなお店は意外にタイ人にも受けるんじゃないかと思うが、なんで多店舗展開しないんだろう?

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