伝統民族衣装から洋装へ
ヤンゴンの街を歩けば、多くの人がロンジーと呼ばれる伝統衣装を着ていることに驚きます。日本でいうと、国民が着物をきて歩いているという感じです。
ロンジーは腰に巻く長いスカートのようなもので、普段着ではトップスは襟付きシャツやTシャツという組み合わせで、民族によって柄が違ったり、上下で色を合わせたり、それぞれにオシャレを楽しんでいます。
ミャンマーの正装がこのロンジーであるということ、学校の制服、ビジネス服、公務員のユニフォームもロンジーという点から、着用率はヤンゴンではまだ7割を超えている印象です。でも、年々ロンジー着用率は低下。
この1年間だけでも、とくに若者を中心に、ロンジーから女性はミニスカートやパンツ、男性はスリムパンツへ移行している様が目に見えてよくわかります。
ミャンマー人、ファッションのお手本は韓国ファッション
ミャンマー人の洋装姿、はっきり言ってイケてません。独断と偏見の意見を承知で言うと、“80年代ロック風”。すごく頑張ってオシャレしているのがわかるんですが、実際のところよくわからず、とりあえず脱ロンジー感がひしひしと伝わってきます。ミャンマー人の女子たちに聞くと、お手本は「韓国のドラマでみるようなコーディネイト」。
軍政時代はテレビや雑誌は厳しい検閲があり、外国の娯楽に触れることができなかったという影響もありますが、韓国のドラマはこちらでも放映されていて、外国のオシャレ=韓国のドラマ という構図が強いです。ヤンゴン市街地の看板には、韓国コスメの宣伝も目立ちます。
ドラマや芸能人の周知=ファッションのお手本とつながるのは、なるほど!です。が、けっして韓国ドラマが“80年代ロック風”というわけではありません。やはり、ミャンマーの若者はオシャレ途上なんだと思います。
みんなこぞって茶髪
オシャレを目指す若者の髪の毛が茶髪です。
というと、どこかの口うるさいおばちゃんみたいですが、茶髪といってもカラーリングというより、脱色系の茶髪。ミャンマーではタイ同様、黒髪ストレートロングが長年美しい女子の条件とされてきたといいます。ところが、ミャンマー最大都市ヤンゴンでみかける若者は髪の毛の色を変えたがります(地方からでてきたばかりの子は違いますよ)。
ちなみに、若い子はモデルのような細めの体型に憧れるものですが、ミャンマーで人気の俳優も女優もぽっちゃり型です。ふくよか=美しい、という美意識が往年ありました。ここは年代差の感覚の違いがあります。
服装は洋装だけど、顔にはミャンマー独特のタナカ(頬などに白い木粉をぬる)を縫っている様子をみると、オシャレにおいても文明開化の真っ最中だと感じます。
よけいなお世話とはわかっているんですが、ミャンマー人の若者が伝統的なロンジー姿でデートしている姿をみると、紳士淑女の雰囲気漂い、ついほほ笑んでしまいます。
とくに男性のロンジー姿は凛としていて素敵です。ミャンマー人にしか似合わないロンジー姿、できればずっと継承していってほしいと思うのです。