強い紫外線の影響から「独自」の進化を遂げたタイのカラー文化。最前線を行くMichiko Taokaからの報告――。
今月号は、今年秋冬の流行色について最新情報をパリよりお届けします。ずばり、2013年の秋はカッパー(銅)系とパープル系が一番の注目色!
その他、ディープなグリーンやオリーブ系、ライトなトーンでは柔らかなピンクや光沢のある薄い紫などが注目されています。普段のファッションにも似合う流行色も取り入れて、日々のオシャレを楽しみたいですね!
そもそも流行色とはどのように決められるかというと、その時代の社会情勢や経済の流れ、人々の生活志向が反映されて決められます。
古くは1960年代後半の学園紛争の時代に代表されるように、既成概念の価値観を打破しようという動きが頻繁にみられ、サイケデリックもそうした風潮から生まれました。サイケ調の色は蛍光の黄色や黄緑、オレンジ、赤、ピンクのビビットなカラーが流行り、当時の商品やデザイン、ファッションのプリント柄などに広く浸透しました。
また、公害問題などがクローズアップされた70年代にはエコロジーブームが到来し、ナチュラルな天然素材にみられるようなオフホワイトやベージュ、そしてアースカラーといわれるブラウン系やカーキやオリーブなどが流行しました。
モノトーンの流行も記憶にある方もいらっしゃいませんか?モノトーンは英語で単色の意味であり、日本ではモノクロと同じ意味で白、黒、グレーの無彩色使いをモノトーンと呼んでいます。無彩色のモノトーン使いは、80年代のカラス族に端を発するDCブランドブームとともに、コムデギャルソンの川久保玲やワイズのヤマモトヨウジが世界的にも注目され、黒が全世界的に流行した時代でもありました。
こんな風に、時代背景と一致した色が、流行色となる訳ですから、見る人の目にも気分とぴったり合って、違和感なく受け入れられるわけです。しかも新しさを感じさせてくれるので、取り入れない手はないですね!