[dropcap]タ[/dropcap]イに住んでいると、海賊版のDVDを購入するのが当たり前のように感じてしまう。もちろん正規品も売られているのだが、コピー品の魅力的な価格と本物と変わらない品質の存在感が大きいため、海賊版を販売・購入するのが普通になっているのだ。
どこでも購入可能な海賊版
DVDはもちろんだが、CDやゲームソフトなどのコピーも普通に売られている。さらに、ワードやエクセルなどでおなじみのMicrosoft OfficeやPhotoshopなどの高額なソフトウェアも格安で購入できる。
タイでの海賊版の販売は、実に堂々と行われている。大きめの市場に行けば、コピー品のみを扱う店がたくさんある。大通りでDVDを売る屋台も良く見かけるし、MBK(マーブンクロン)やパンティッププラザなどの大きなデパートにもコピー品ショップが軒を連ねる。ちなみにDVD1枚の値段は、デパートや観光客の多い場所の屋台では100バーツ程度、ローカル市場に行けば50バーツほどである。
パンティップ・プラザ国際問題にもなっているタイのコピー文化
コピー商品と聞くと中国を思い浮かべる方も多いと思うが、タイのコピー文化も相当のものだ。DVDやCDのようなディスクだけでなく、偽物のブランドバッグや時計なども格安で購入できる。また、名のあるメーカーの衣類も100バーツ程度で販売されている。
コピー品の多くは、やはり本場の中国やマレーシアから流れてくるようだ。USTR(アメリカ合衆国通商代表部)にも、プーケットやパタヤなどを含むタイ国内の9カ所が、コピー品の横行している場所とのレッテルを張られている。
DSI(タイ法務省特別捜査局)やJETROも、タイの海賊版やコピー品を取り締まるべき動いている。実際に海賊版の押収やコピーブランド販売店の摘発、経営者の逮捕などが行われることもあるが、それでも大きな効果を得られていないというのが現状のようだ。
日本への持ち込みは、もちろん違法
日本でDVDを購入するとなると数千円、パソコンのソフトになると数万円のものもある。それと比べると明らかにコピー品の方が安いため、タイの海賊版に手を出したくなる気持ちはわかる。
しかし日本では(タイでもだが)コピー品は違法である。何より、著作権使用料や印税などの支払いの枠から外れているため、結果的に各方面に悪影響を与えることになる。
違法のはずなのだが、ここまでオープンにやられるとこれが普通だと感じてしまう。個人的な購入で逮捕されるという話はあまり聞かないが、違法ソフトを利用していた事業所が摘発されるもある。間違って買わないように気を付けよう。
MBK センター