Now Reading
プラユット首相の続投濃厚!?

プラユット首相の続投濃厚!?

総選挙の大勢がついに決しました。現軍事政権を支持する政党は5月16日現在で16党となり、下院での総獲得議席数は137議席にとなり、上院250議席は現軍政が事実上選べるため、両院合わせて387議席が親軍政派に、両院750議席の過半数376議席をクリアしたというわけです。次期首相にプラユット暫定首相が選ばれるのはほぼ確実とみられます。

第1党は反軍政でも政権奪えず

下院選の内訳はこうです。主要政党の下院獲得議席数はタクシン元首相派の「タイ貢献党」136議席、プラユット暫定首相が所属する「国民国家の力党」115議席、反軍政派の「新未来党」80議席、反タクシン派の「民主党」52議席、タクシン派から寝返った「タイ誇り党」51議席。また、比例代表で1議席を勝ち取った12の小規模政党は13日までに、「国民国家の力党」を支持すると表明しましたから、これにより、親軍政派の議席数は上院250議席を含め、両院の過半数を上回る結果となりました。

国民国家の力党

あれっ?多数派工作で反軍政有利だったのでは?

選挙後、新政権樹立に向け、反軍政派と親軍政派の多数派工作が焦点となってましたが、総選挙後すぐに行動を起こした反軍政派の7党が255議席に達したとされていました。ところが、選管の発表によると245議席に留まり、過半数には一歩及ばず。今後の動きが注目されていました。

前述の通り、下院議員のうち新軍政は137議席で、反軍派の半数ほどです。まだまだ立場を明らかにしていない反タクシン派の「民主党」や「タイ誇り党」のほか4党118議席の行方が気になるところです。それでも、首相続投が濃厚なのは、首相指名が両院750議席の過半数376議席を獲得することが条件だからですね。5月14日には、ワチラロンコン国王が上院議員の250人を発表しました。このうち、アピラット陸軍司令官ら軍・警察高官が100人強を占め、 プラジン前副首相兼法相ら軍政のプラユット暫定首相を支えた閣僚経験者が多数含まれ、プラユット首相の弟のプリーチャー氏も選ばれました。

つまり、上院議員は最初から親軍政に組み込まれる仕組みだからです。「そんなの不公平だ!」と言う方も多いでしょうが。軍政が策定した現在の憲法下では、仕方がないわけです。そこで、反軍政は圧倒的な勝利が必要だったのですが、結果は及びませんでした。

首相決めて、とりあえずは政治が安定する?

そうでもないんです。現軍政の次期政権樹立が有力視されていますが、実際に政府として機能できるかは依然不透明なんです。それは、重要法案を可決するためには下院で半数以上の賛成が必要ですが、ご存知の通り、親軍政派は今現在114議席足りません。この状況下では反軍政派が次期首相に対し、不信任決議を突きつける可能性や重要法案が通りづらくなります。

当然、政情不安は経済発展の停滞にも繋がりうるでしょう。世界銀行は今年のタイ実質GDP(国内総生産)成長率を前年比0.3ポイント減の3.8%と予想。その一因として「総選挙1カ月後にも関わらず新政府が樹立できておらず、投資家の信頼を失っている」点を挙げています。盤石な政権が海外から望まれる一方、国民の一部は現軍政に疑惑の目を向けているそうです。理由は、上院議員250人がプラユット暫定首相に近い人ばかりで埋められることですね。ネット上では「この選任は適切なものなのか」と疑問の声が上がっていますよ。

dariasophia / Pixabay

2019年、タイの政治はどうなるのか?

とはいえ、5月24日には国会が開かれ、月末には新しい首相が選任されます。果たして、その後の政権運営がスムーズに進むのでしょうか。他国の政治に介入はよくありませんが、約5000社の日系企業が進出し、在タイ日本人約10万人が住む国です。我々、日本人にとっても経済に悪影響を及ぼすような不安定な政権では困ります。もう少しだけ、タイの政治から目が離せませんね。

© 2019 ANNGLE(THAILAND)Co.,Ltd. All Rights Reserved.

Scroll To Top