それでも日系飲食店がバンコクに進出する理由

増え続けるタイの日本料理
増え続けるタイの日本料理
ビジネス

海外で生活をする際、いろいろと障壁になるものはあると思いますが、そのうちの一つとして「食」が挙げられると思います。特に日本食はどこの国でも食べられるわけではないので、「味噌汁がないと生きていけない」という人には辛い国もあるかもしれません。

世界で3番目に日本人が多い都市とされるバンコクでは、在留者、長期滞在者、観光客を含め、約10万人が滞在していると言われます。そんなバンコク、実は日本食レストランはおよそ1200店舗もあるんだそうです。非常に多いですね。これなら「味噌汁がないと生きていけない」人も安心です。

最近ではバンコクに限らず、飲食業界の海外進出はそう珍しくありません。

これだけの日本食レストランがあるのにもそれなりの理由があります。今回はバンコクの飲食業界隈をレポートします。

そもそもなぜ飲食業界が海外に出店するのか?

博多一風堂の看板

博多一風堂の看板

これは単純で、飽和している日本市場では成長が限られる一方で、伸び盛りのアジアではさらなるマーケット獲得が狙えるから。

その中でも、特にASEANは平均5%の経済成長率、6億人という人口から、市場として高い注目を浴びています。その足がかりとして、バンコクへの出店を決めるというケースが多いそうです。

後で述べますが、バンコクは比較的容易に食材の仕入れルートを確保することができるし、2年後にAEC(ASEAN経済共同体)が設立されれば、域内における輸送コストは格段に下がります。

なにより、バンコクにはASEAN域内からたくさんの外国人がやって来ます。バンコクにやってきた外国人に対してのPRができたり、次の出店先を決める際のテストマーケティングの場としても有効です。事実、日本の地方の飲食店が多店舗展開をする際、「東京へ出店する」のではなく、「バンコクへ出店する」というお店が増えているのだとか。

充実した日本食材

うどんもこんなに種類が!

うどんもこんなに種類が!

バンコクにはたくさんの日本食レストランがあり、その数およそ1200店舗。これだけの店舗数があれば種類も価格帯も様々で、高級な日本料亭もあれば、ローカルのフランチャイズ店もあります。

海外で日本食レストランを経営する際にまず懸念されるのは、日本食材をどう手に入れるかということ。その点、日本人の多さゆえ、日本食品の品揃えも充実しているので、仕入れの心配はあまり無さそうです。例えば隣国ミャンマーに住んでいる日本人が、タイへ買い出しに来るなんていうこともあります。

タイ人の舌は日本人の舌に近づいている?

沢山の日本酒

沢山の日本酒

海外展開をしている日系飲食店の中には「いかにローカルのお客さんを取り込むか?」ということを課題に挙げているお店も少なくないと聞きます。帰国する可能性のある上に数が限られる日本人マーケットよりも、現地人マーケットも大きいのでそれは当然の考えです。

現地人集客をしようとした時、その障壁となるものはいくつかあります。その例として「現地人の舌に合うか」「そもそも食べてくれるか」といった課題が挙げられます。

よく、ラオスやカンボジアでは、「外国の料理は怖くて食べない」などの話を良く聞きますし、マレーシアのようにイスラム教徒が多くいる国では宗教上の理由から「何が入っているかわからないものは食べたくない」という声もあります。

一方タイ人はどうかというと、これだけ日系飲食店が増えていることもあり、日本食に対しての「食わず嫌い」はなさそうです。中間所得層の広がりもあってか、ローカルフードよりも値がはる日本食にも抵抗はありません。したがって、他の国でありがちな「現地人へのターゲティングの難しさ」ということで言えば、幾分かハードルが低そうです。

いかに独自性を出すかが今後のカギ。

和風カルボナーラー

和風カルボナーラー

出店の際のメリットがこれだけたくさんあるバンコクですが、もちろん課題も残ります。

ある飲食コンサル会社のAさんは、「これまでは寿司からカレーまでなんでも出していた店が多かったが、ここ数年では、ある分野に特化した日本食店が増えている。いくら日本人がたくさんいるとは言え、それぞれでオリジナリティを持たなければやっていけない。」と話しています。

僕達が訪れた店でも、「店内が縁日の雰囲気のお店」や「日本式洋食レストラン」など、実に多岐にわたるコンセプトでチャレンジをしていました。日本で出店するよりはまだまだ競合は少ないとは言え、「ただの日本食」というだけでは難しいのが現状だそうです。

現在進行形で起きているASEAN進出ブーム。その業種の中でも「飲食業」は特に多いです。
カンボジアではここ最近、月3〜4件のペースで日本食レストランの出店があります。

東南アジアの中で最も日本食マーケットが成熟しているタイ。

このマーケットに注目することで、学べることは少なくないでしょう。

筆:リョウ

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