2020年までに2兆バーツ(約6兆5000億円)を投じて4本の高速鉄道(新幹線)などを建設しようというタイ政府の交通インフラ整備計画がインターネット上で皮肉っぽく取り上げられ、話題になっている。
このうち高速鉄道について、政府は2013年度中の入札実施を目指し、早ければ4月中にも閣議決定したい方針だが、建設費があまりに巨額なことから与野党の対立が続く国会で審議が紛糾。「借入金をどう確保するのか」など野党からの追求が続いている。
これまでのところ、財源について政府側は「建設費用の回収は税金を上げることで解決する」などと説明しているが、国会の理解を得られていない。建設のメリットを質す問いに対してもインラック首相が「高速鉄道があることで地方から野菜を早く運べる」と発言するなど〝迷走〟を続けており、これがインターネット上で揶揄されるきっかけとなった。
首相の発言を元に、あるタイ人Facebookユーザーが制作したのが下のイラスト。Facebook上で公開したところ、短時間で数千人のシェアに発展し、ここ数日タイのインターネット上で話題になっている。
高速鉄道は野菜を早く運ぶメリットが描写は実に細かい。タクシーの運転席などでよく目にする花輪のお守り(プワングマーライ)や、街の電線を走り回るリス。さらには、一昨年の洪水被害時に首相が現地を訪れる際に履いていたバーバリーの長靴も皮肉っぽく描かれている。
この話題はさらに発展し、「野菜を運ぶ電車」という替え歌も登場。政府の対応によっぽど立腹したのか、からかい方は尋常ではない。
検討が進められている高速鉄道4路線は、①バンコク―東北部ノンカイ(全長615キロ)②バンコク―南部パダンべサール(982キロ)③バンコク―東部ラヨン(221キロ)④バンコク―北部チェンマイ(745キロ)。現在のところ、日本、中国、韓国、スペイン、フランスの企業が関心を寄せている。日本からはJR九州が過日、インラック首相に対しトップセールスを実施した。
รถไฟขนผัก 野菜を運ぶ電車